【試乗記】 マツダ CX-5 25S L Package

試乗車の概要
車名 | CX-5 |
グレード | 25S L Package |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | 6速AT |
装着タイヤ | トーヨータイヤ PROXES R46(225/55R19) |
型式 | DBA-KF5P |
排気量 | 2.5リッター(自然吸気) |
最高出力 | 190ps/6000rpm |
最大トルク | 25.6kgf・m/3250rpm |
車両重量 | 1550kg |
車両本体価格 | 298万6200円(税込) |
試乗日 | 2017年2月8日 |
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2017年2月にフルモデルチェンジされた
マツダCX-5の「25S L Package」に試乗した。
以下に、率直なインプレッションを述べる。
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試乗インプレッション
【注意!】当ブログの試乗記の見方について
動力性能・・・★★★☆☆
まずは発進の挙動チェックから。
アクセルの踏み始めで過敏に反応するでもなく
軽やかな発進。まずは合格点。
発進後から中速域までの加速も軽快で、
ガタイの見た目のゴツさからイメージする動きより
はるかに軽い感じで加速していく。
そして、いつもの急坂での加速力チェック。
もちろん、スペックがしれてるので
パンチの効いた加速をするわけではないが、
アクセルの踏み込みに対するレスポンスも良く、
4千回転あたりまで回せばなかなかの力強さで
急坂を上っていく。
それに、回せば回した分に応じて
リニア感のある力感を感じさせてくれるので、
そういった部分でも好フィーリングだ。
俺様は以前、
現行モデル初期型の、アテンザ 25S L Package
に乗っていた時期があるのだが、
当時のアテンザよりも今回のCX-5のほうが
レスポンスも良くなってる気がするし、
力強さもよりダイレクト感のある感触で
感じられる気がする。
当時のアテンザは今回試乗したCX-5より
重量はいくらか軽かったにもかかわらず、だ。
エンジンスペックを調べてみたところ、
当時のアテンザの2.5リッターエンジンより
今回のCX-5の2.5リッターエンジンは
馬力もトルクも若干アップしているようだ。
しかし、そのスペック差は試乗レベルで
体感できるほどの差とは思えないので、
恐らくはエンジンだけでなく、
トランスミッションの特性も含めて
いろんな改良の積み重ねの融合によって、
実力を上げてきているのだろう。
次に、
このクルマには最近のマツダ車おなじみの
ドライブセレクションスイッチが付いているので、
一応、スポーツモードも試してみた。
これは予想通りの動き。
普通に中速域で流している状態でも
2千回転以上の回転数をキープするため、
アクセルを踏み込んだときのレスポンスが鋭くなり、
キビキビとした走りができる。
まぁ当り前ですね。(^_^;
でも、
別にスポーツモードにしたからといって
パワーがアップするわけではないので、
単に、
高回転キープ & 下のギヤで引っ張る
という制御でもってスポーティーに
走らせるだけだ。
俺様的にはあまり使いたくないタイプの
スポーツモードですね。(-_-)
ってゆーか、
山道をちょっと元気に走らせてみたのだが、
わざわざスポーツモードに切り換えなくても
ATが状況を賢く判断して、
ギヤを高回転まで引っ張って
シフトアップしてくれたり、
高回転キープしてくれたりということを
勝手にやってくれたので、
スポーツモードを使う必要性は
ほとんど無いだろう。
あと、ハンドリングも自然。
クイックでもなくダルくもなく、
切った分だけイメージ通りに曲がる。
山道のワインディングで
攻め気味に走らせてみたのだが、
オーバーステアやアンダーステアを
感じさせるような挙動もない。
俺様としてはタイヤを鳴かせるぐらいの
つもりでコーナーに突っ込んでみたものの、
19インチのタイヤは鳴くこともなく、
しっかりと路面をとらえて曲がってくれた。
まぁそんなわけで、
過激な力強さはないものの、
俺様としては充分に満足できるレベルの
パワーとフィーリングを持っているし、
車高の高さからイメージする走りとは裏腹に
ワインディングでも意のままの走りができる。
乗り心地・・・★★★★☆
結論から言うと、
かなり良く出来た乗り心地。
車高が1690mmもあるにもかかわらず、
ムダな横揺れはほとんど感じない。
この点に関しては、CX-5は先代からすでに
優秀ではあったのだが、先代よりマイルドな
乗り味になっているにもかかわらず、
横揺れも抑えられているのが素晴らしい!
もちろん、車高が高い分、
車両の片輪側だけが持ち上げられるような
路面の凸凹に対しては、セダンなどと比べると
横方向への揺れ幅は大きめではあるのだが、
それでも事前にこちらがイメージするよりも
小さな振れ幅で凸凹通過していく感じだ。
それに、荒れた路面の凸凹を通過した際、
非常によく足が動いているのがわかる。
しっかりした足回りでありながら、
ストロークに余裕のあるサスペンションだ。
上下動の抑え込みは完璧とは言わないまでも、
かなり足回りで吸収されている。
先代では多少感じられたゴツゴツ感が、
新型ではほとんど感じられない。
路面の荒れた感じとかも、
インフォメーションとしてステアリングに
適度に伝わってきて、安心感がある。
驚くべきは、
19インチホイールを履きながら、
これだけ優秀な乗り心地を
実現しているところだ。
一昔前なら考えられんよね、
19インチでこの感触は。(^_^;
そんなわけで、
非常に乗り心地は良い。
悪い所を指摘しろと言われても、
正直見つからない感じだ。
ただ、あえて意地悪な言い方をすれば、
その乗り心地の良さが、ある意味では
「SUVっぽくない」ということで
物足りなさを感じる人はいるかもしれない。
アイポイントの高さが高いから、
SUVに乗ってるという感じはあるものの、
乗り心地はマイルドでセダン的でもあり、
もっとゴツい感じを求めてる人には
向かないだろう。
でもまぁ、CX-5はキャラ的にも
そんなガチンコなSUVではないから、
今回の新型はあるべき方向に
正常進化したモデルと捉えるべきだろう。
居住性・・・★★★★☆
いいね、新型。
先代もなかなかのモンだったけど、
さらに磨きがかかった感じ。
センターコンソールの幅が広く、
高さもあるので、コックピット感が増した。
前席シートの座り心地もいい感じ。
特に背中から頭にかけてのフィット感が良く、
リラックスできる。
ただ、快適なシートではあるのだが、
ホールド感はやや薄い。
そして、L Packageともなれば
当然ながらパワーシート標準装備なので、
自分の最適だと思うポジションに
細かく合わせることができるため、
これもまた居住性の良さにつながる。
しかし!
1つ文句を言わせてもらうと、
パワーシートのスイッチを操作する際、
ドアポケットの出っ張りが邪魔で
手が入りにくい!(>_<)
これは明らかに設計ミスだろう。
なるべく早急にドアポケットの形状を
変更すべきだと思う。
まぁ操作しにくいだけで、
操作できないわけではないのだが、
かなりマヌケさを感じさせる
がっかりなポイントだ。(^o^;
そして後席。
運転席を俺様のドラポジに合わせた状態で、
後席のヒザ周りには拳を縦に1個分以上の余裕がある。
頭上も拳を縦に1個分以上の余裕があり、
スペース的には全く不満の無い後席だ。
俺様がこだわるヘッドレストの高さも、
わざわざ引っ張り上げなくても
何とか頭を支えてくれる位置にあるので、
まぁ合格点をあげられるレベルだ。
ただ、
前席と同様、いや、後席は特に、
シートのホールド感はかなり乏しい。
このほうが開放的でラクだという人も
いるだろうとは思うのだが、
俺様としてはもう少しホールド感は
あったほうがいいかな、と思う。
静粛性・・・★★★★☆
まずクルマに乗り込んで、
真っ先に感じたのが「静かだな」ということ。
先代よりも全体的な遮音性が良くなっている。
ロードノイズも気にならないレベルで、
エンジン音も抑えが効いている。
もちろん、ある程度ブン回せばそれなりの
エンジン音が入ってくるわけだが、
がさつな音やトゲのある音は入ってこない。
遮音性の向上による恩恵なのか、
エンジンの改良による恩恵なのか、
どちらなのかはわからないが、
エンジン音の音質も良くなっている。
俺様が以前に乗っていた
アテンザの2.5リッターエンジンでは、
発進時など低速ギヤで軽くエンジンを
回した時のサウンドが、
軽くてチャチぃエンジン音だった。
(参考)
【試乗記】 マツダ アテンザ セダン 25S L Package
それが今回のCX-5の2.5リッターエンジンでは
だいぶマシになっている。
もちろん、
音色そのものには昔の面影が感じられるが、
あの低速ギヤを低回転で回してる時の
エンジン音の質感は、随分改善されたと
言っていいだろう。
一方、
4千回転以上までブン回した時のエンジン音は、
以前の2.5リッターエンジンとほとんど
変わらない印象。
まぁ洗練されたサウンドとまでは言えないが、
4気筒エンジンとしては悪くないサウンドだ。
ある程度ブン回しながら走っても、
そこそこの上質感とそこそこのスポーティー感を
楽しめる良いサウンドだと思う。
内装質感・・・★★★★☆
これまたなかなか頑張ったねぇ。(^o^;
当然ながらダッシュボードはソフトパッドだし、
ドアの内張り上部も前席/後席ともに
ソフトパッドが使われており、充分な質感。
「L Package」ということもあって、
シートの質感がクロスのシートよりは
いい感じに見えるというのもあるし、
センターコンソールサイドのヒザの当たる部分が
ステッチ入りの合皮になってたりするので、
そのへんも質感の向上に貢献している。
センターのアームレストもクッション性があり、
表面はステッチ入りの合皮になっているため、
これも質感はいい感じ。
そんなわけで、
「質感」的には大きなケチをつける所は
特にない出来栄え。
あえて残念なところを挙げるとすれば、
インパネとドアトリムのデコレーションパネル。
カタログによると、「メタルウッド」と称される
意味不明なデコレーションパネルなのだが、
これの色が暗いため、周辺のブラック内装との
コントラストの差が少なく、あまり目立たない。
つまり、せっかくわざわざ
木目のような模様を入れたパネルを、
上位グレードであるL Packageだけに
特別に装備しているにもかかわらず、
その価値が視覚的にあまり感じられないのだ。
これはもうちょっと目立たつ色にすべきだろう。
あと、センターコンソールの一番前、
インパネの下の部分にスマホ置き場的な
小物入れがポッカリと口を開けているのだが、
個人的にはこれがちょっと惜しい。
せっかく幅広のセンターコンソールで
上質感がアップしているのに、
その小物入れが口を開けているところが
少々安っぽく見えてしまう。
ここはぜひフタを付けてほしかったところだ。
そうすれば、幅広のセンターコンソールが
さらに伸びやかなボリューム感を持ち、
ちょっとした高級感をも感じさせる内装に
なるのではないか、と。
装備・・・★★★★☆
最上位グレードの「L Package」ということで、
装備はかなり充実している。
アダプティブLEDヘッドライト(ALH)は
もちろん標準装備。
走行状況によって左右に各12ブロックあるLEDを
個別に点灯制御して、対抗車を幻惑することなく
視認性を高めてくれる優れもののヘッドライトだ。
そして、
今回のCX-5で初めて実現された、
フロントガラスに表示されるようになった
アクティブドライビングディスプレイ。
これ、ホントにスゴいねぇ。
BMWでこれと同じようなオプション付けたら
数十万円レベルのお金を取られますが、
マツダの新型CX-5では標準装備ですからね。(^_^;
ちなみに見た感想としては、
従来のあのダッシュボードに表示板が
立ち上がるタイプよりも、
さらに自然に見える感じ。
これはいいね!(^_^)
運転席は10Way、助手席は6Wayのパワーシート。
運転席は2つのポジションメモリー付きだ。
まぁこれは当り前ですね。
ステアリングヒーターも標準装備。
これ、使ってみたけど、メッチャいいですね!
一度使ったら病みつきになりそう。(^o^;
オプションにされがちな
後方に対する安全支援装備も全て標準装備。
ただし、歩行者保護エアバッグは付いていない。
って、いらんけどね。(^o^)
あとは、交通標識認識システム。
制限速度などを読み取って、
アクティブドライビングディスプレイに
表示してくれるという、少々おせっかいな装備。
別にいらんっちゃあいらんけど、
大したモンだなぁと感心する。
以前にアクセラの試乗記でも触れたが、
ドライバーアテンションアラートは面白い。
疲れていない状態での運転を学習してくれて、
それと大きく異なる運転をし始めたら
ドライバーに休憩を促す警告メッセージと
警報音を出すという装備だ。
パーキングブレーキは全グレードで
電動パーキングブレーキを採用。
オートホールド機能も付いている。
まぁCX-5のキャラなら、
電動のほうが絶対にいいよね。
そうそう、キャラと言えば、
やはりキャラに合わないからなのか、
パドルシフト(ステアリングシフトスイッチ)は
全グレードでオプション設定。
これは出来れば標準装備してほしかったが、
まぁオプションで付けられるだけマシと考えよう。
サイドモニターとバックカメラは標準装備。
レインセンサーワイパーやヒーテッドドアミラー、
自動防眩ルームミラーなど、
このクラスであれば当然ほしい基本的な装備は
標準で装備されている。
まぁそんなわけで、価格から考えると
装備は全く不満のないレベルだ。
カーステ音質・・・★★★★☆
試乗した車両には、オプションの
Boseサウンドシステム(10スピーカー)が
装備されていたので、その音質チェックをしてみた。
驚くほどの高音質というわけではないが、
高音もキレイで、伸びもそれなりに良く、
低音もしっかり出ている。
音質設定がフラットの状態では、
特に低音が強いとか高音がヒス気味だとか
いうこともない。
BoseおなじみのCenterpoint機能を
オンにすることにより、
音の広がりや臨場感がアップしていい感じ。
まぁクルマの中で聴く音としては、
充分に高音質と評価していいだろう。
総評・・・★★★★☆
これは、、、
スゴくないけど、スゴいね。。。(^_^;
どういう意味かと言うと、
別に何かが飛び抜けてスゴいわけじゃない。
でも、欠点らしい欠点もない。
そういう意味。(^o^;
動力性能に不満は無いけど、
だからといってホットな走りができるほど
パワフルなわけではない。
ハンドリングも良く、
意のままのコーナリングも楽しめるけど、
とはいえ車高の高さだけはどうしようもなく、
それゆえに素人が安心してガンガンに
攻め込めるような走りが出来るわけではない。
内装の質感も高いけど、
「高級感」と呼ぶにはまだ及ばないし、
ゴージャスな雰囲気に浸れるほどではない。
もちろんそれは当り前。
値段が値段ですから、
むしろこの値段でここまでやれるのは
スゴいと言っていいと思う。
だからやっぱりスゴい。(^o^)
トップクラスの科目はないけど、
不得意科目のないプチ優等生、
って感じかな。
そんなわけで、
この子を叱る理由は特にない。
でも、特別に誉めたくなるほど
飛び抜けて優秀なわけでもない。
なので、
魅力的と言えば魅力的なんだけど、
即決で「絶対これに決まり!」と
言い切れるほどの決め手にもかける。
このブログ、
「辛口クルマ批評」の読者の方々には、
欠点をビシビシ指摘する辛口評価を
お求めの人もおられるかと思うが、
最近の新型車はホントにレベルが上がっていて、
ビシビシ指摘するほどの欠点が
見当たらないクルマが多くなってきたと感じる。
「もっと辛口で頼むよぉ~」などと
苦情が出そうだが、俺様は別にわざわざ
悪口を書くためにブログをやってるのではないので、
良い物は良い、ダメな物はダメと、
ストレートに評価するのみであります。(^_^)>
まぁそういうわけで、
新型CX-5は、決定的な決め手は無いものの、
強力な次期愛車候補の1つとなった。
次は「XD PROACTIVE」に試乗するので、
その試乗が終わったら、これまでの候補の
見積りを一斉に取得すると共に、
現愛車を買取一括査定にかけます。(^_^)
→ CX-5関連商品
★重要なお知らせ!
当ブログは2018.9.30をもちまして、
「新・辛口クルマ批評」に移転しました。
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★庶民の方々へ忠告!
クルマの乗り替えを検討している方へ。
もしあなたにとって、
数十万円というお金が
小さなお金ではないのなら、
ディーラーの下取りに出す前に
必ず買取店の一括査定を
実行して下さい。
俺様も利用している無料一括査定サービス
俺様の経験上、業者によって
査定額に数十万円の差が
つくことはザラにあります!
ディーラーの言い値で
下取りに出したりしたら、
それこそ数十万円単位の損
をすることになりかねません。
買取店の一括査定で
最も高い値段をつけた業者に売れば、
買い替え候補のクルマだって
ワンランク上のグレードが
狙えるかもしれませんよ!
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★目次リンク
→ 試乗記の目次
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30代以上のサラリーマンの方へ。
俺様は動き出しました。あなたもそろそろ。(-_-)
→ クルマが好きだから、そろそろ人生の軌道修正
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