【試乗記】 トヨタ クラウン 2.5 S

試乗車の概要
車名 | クラウン |
グレード | 2.5 S |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | CVT |
装着タイヤ | レグノ GR001(225/45R18)※ |
型式 | 6AA-AZSH20-AEXMB |
排気量 | 2.5リッター(自然吸気) |
最高出力 (エンジン) | 184ps/6000rpm |
最大トルク (エンジン) | 22.5kgf・m/3800-5400rpm |
最高出力 (モーター) | 143ps |
最大トルク (モーター) | 30.6kgf・m |
車両重量 | 1740kg ※ |
車両本体価格 | 497万8800円(税込) |
試乗日 | 2018年7月2日 |
18インチホイールを装着(+10kg)
![]() |
2018年6月にフルモデルチェンジされた
トヨタのクラウンに試乗した。
以下に、率直なインプレッションを述べる。
●関連記事
・トヨタ クラウン モデルチェンジ情報
・【試乗動画】 トヨタ クラウン 2.0 S
・【試乗記】 トヨタ クラウン 2.0 S
・【試乗記】 トヨタ クラウン ハイブリッド ロイヤルサルーンG
・【試乗記】 トヨタ クラウン 3.5アスリートS
・【試乗記】 トヨタ クラウン 2.5アスリート
試乗インプレッション
【注意!】当ブログの試乗記の見方について
動力性能・・・★★★☆☆
まずは発進の挙動チェック。
ゆっくりとブレーキを緩めると、
なめらかにスルスルと動き出す。
高級車らしい重厚感もそれなりにある。
ただ、、、
「クラウン」=高級車ということで
少々厳しく評価してしまっているせいだろうか、
発進挙動に関しては
カムリに試乗したときほどの感動は無かった。
まぁでも、十分に質感の良い感触だ。
(参考)
【試乗記】 トヨタ カムリ G
アクセルをゆっくり踏み込むと
過敏に反応することもなく、
なめらかに加速していく。
しかし!
その加速の過程において、
動力性能とは無関係なところで
大きな問題が発生!
その問題については、
ここではひとまず置いといて、
該当項目の箇所で言及するとしよう。
とりあえず動力性能としては、
発進から中速域までの加速に問題はない。
次、急坂での加速力チェック。
期待を込めてアクセルを、と言うより、
むしろ、先代クラウン ハイブリッドの
ショボさが脳裏に浮かんだため、
やや不安を抱きつつアクセルを踏み込んだ。
(参考)
【試乗記】 トヨタ クラウン ハイブリッド ロイヤルサルーンG
その不安は現実に。。。(-_-;
けっこう深く素早く踏み込んだものの、
カムリに試乗した時のような
素早いレスポンスが全く感じられない。
純粋なガソリン車として見れば
悪いレスポンスではないのだが、
ハイブリッドとしては不満が残るレスポンスだ。
期待よりも少し遅れて加速体勢に入る。
パンチは無いものの、
急坂でも十分に加速してくれるので、
加速力そのものに不足はない。
しかし、
同じぐらいのアクセルの踏み込み量では、
やはりカムリよりも加速感が劣る印象だ。
(参考)
【試乗記】 トヨタ カムリ G
新型クラウンのエンジンは、
縦置きでFRという違いはあれど、
基本的にはカムリと同じ。
しかもモーターは、
カムリのモーターが120PS、20.6kgf・m
新型クラウンのモーターが143PS、30.6kgf・m
ということで、
新型クラウンのモーターのほうが
かなりパワフルなはずなのに、
なぜここまで印象が違うのか?
確かに車重は俺様が試乗したカムリより
170kg重いのだが、それにしても
アクセルを踏んだ瞬間のレスポンスに
ここまで違いが出るのは、
車重だけが原因ではないだろう。
モーターの特性に問題がありそうだ。
しかし、幸か不幸か、
レスポンスが悪いおかげで
カムリに試乗した時に感じた、
「モーターによる加速と
エンジンによる加速の
つなぎの部分での不自然さ」
これが今回の新型クラウンでは
感じなかった。
そういう意味では、
カムリより新型クラウンのほうが
急加速時の挙動はリニアだと言える。
だからと言って
これを誉める気になれるかと言えば、
答えは「ノー」だが。(-_-;
次は平地での急加速を試してみた。
しかし、
急坂でのレスポンスと同様、
やはりレスポンスは悪い。
ハイブリッドのメリットが
微塵も感じられない走りだ。
というわけで、
パワー的には不足はない、とはいえ、
カムリより劣るレスポンスとパワー感は、
新型クラウン様の主力グレードとしては
不満を感じざるを得ない。
このままでは終われない!
ということで、
ドライブモードセレクトを
「SPORT」に変えて急加速を試してみた。
しかし、
レスポンスが改善することはなかった。
カタログには「SPORT」モードの欄に
「鋭い加速」と書かれているのだが。。。
パワー感が明確に増すかと言えば、
そういうわけでもなく、
ノーマル時と同じぐらいのアクセルの
踏み込み量でもエンジン音が大袈裟になり
余計にエンジンが回っている感じなので、
多少加速力が強く感じられる程度だ。
正直、
「お飾りレベルのスポーツモード」
と言って差し支えないだろう。
あと、
パドルシフトが付いているので、
こいつを使って意のままの加速が
得られないかと試してみたのだが、
ぜんぜんダメだった。
「-」側のパドルシフトで
擬似6速シフトをダウンさせて
アクセルを踏み込んでみたが、
回転数は上がるものの
あまり加速してくれない。
結局そこからグッとアクセルを
踏み増ししないと思うような加速は
得られなかった。
なので、このパドルシフトを使って
キビキビとしたスポーツ走行を
楽しもうと思っても、
はっきり言って無理だ。
近年はパドルシフトを装備したクルマが
増えてきており、俺様も試乗でいろんな
クルマのパドルシフトを操作してきたが、
このクルマのパドルシフトほど
俺様の期待を裏切る挙動を示した
パドルシフトは他にない。
所詮はハイブリッドの擬似6速。
そんな印象が強く残った。
ブレーキのフィーリングは、
最近のトヨタのハイブリッドは
全体的に良くなっているようで、
新型クラウンのブレーキも
普通のガソリン車と比べて
全くと言っていいぐらい違和感のない
自然なフィーリングに仕上がっていた。
乗り心地・・・★★★★☆
まず最初に、今回の試乗車は
オプションの18インチホイールを
履いていたことをお伝えしておく。
しかしさすがはクラウン様の最新型。
18インチを履いていることを忘れるほど
乗り心地は実にマイルド。
終始なめらかな走行フィールが印象的だ。
まぁ最近は18インチぐらい普通やけどね。(^^;
荒れた路面の凹凸に対して素早く反応し、
足がよく動いて車体への衝撃を吸収している。
姿勢変動もよく抑えているし、
揺れの収束も早い。
ってゆーか、
揺れそのものが少ないので、
収束させるべき揺れ幅が少ないため、
余計に収束が早いのかもね。
乗り心地が良いからといって、
フワフワしているかと言えばそうではない。
マイルドな感触でありながら
足回りの「しっかり感」が感じられ、
路面のインフォメーションを適度に
シートやステアリングを通じて
ドライバーに伝えてくれる。
今回試乗したグレードは
決してスポーティーなグレードではないが、
この足回りならスポーツ走行をさせても
十分に楽しめるだろうと思う。
カムリとは明確にキャラの異なる乗り味だ。
(参考)
【試乗記】 トヨタ カムリ G
ハンドリングに関しては
道路状況的にたまたまタイミングが悪く、
コーナリングのところで
あまり速度を上げられなかったので、
急ハンドル時の挙動は試せなかった。
ただ、
通常の速度でのコーナリングでは、
特にクイックだとかダルいとかもなく、
不自然な挙動もなかったので特に問題ない。
ロールも大きいとは感じなかった。
直線道路でちょっと左右に振ってみたり
いろいろ試してみたのだが、
俺様が予想していたよりも
かなり繊細なハンドリング、
シャープな車体応答だと感じた。
特にクイックなハンドリングとは
感じなかったのだが、
微妙なステアリング操作に対して
ちゃんと反応してくれる。
素早く左右に振っても車体の応答が素早く、
俊敏にステアリング操作に追従する。
揺れ残りもほとんど感じない。
クラウン史上、
初めてニュルに持ち込んで仕上げた
というだけのことはありそうだ。(^_^)
ただし、再度言っておくが、
以上のインプレッションは
あくまでもオプションの
18インチホイールを履いた状態での話。
これが標準の17インチだったら
どんな感触になるのか。
そこは追って確認する必要がある。
17インチでの乗り心地については、
別グレードへの試乗、
すなわち2.0リッターターボの
グレードに試乗して確認したいと思う。
居住性・・・★★★☆☆
ムムムッ!
居住性は非常に重要であるはずの
クラウン様だが、
ここは★3つという意外な評価となった。
まぁ運転席に関しては良いですよ。
8ウェイのパワーシートで、
細かくポジションを合わせられるし、
ステアリングのテレスコ調整も
俺様が望む位置まで動いてくれたので、
ドライビングポジションはバッチリ。(^_^)
一方で、意外にも、
後席が思ったほど広くなかった。
運転席を俺様のドラポジに合わせた状態で
後席に乗り込んでみたのだが、
ヒザ前の余裕は拳を縦にして1個分+α。
最近は後席スペースの広いクルマが
増えているので、相対的な評価をすれば
この程度の余裕は普通レベルだ。
ちなみにカムリの余裕は
拳を縦に2個分+αだったことを考えると、
カムリのほうがかなり広い。
(参考)
【試乗記】 トヨタ カムリ G
まぁカムリはFFなので、
後席の広さはクラウンが負けても
仕方がない部分ではあるが、
それにしても負けすぎだろう。
天下のクラウン様、しかも新型、
全長もカムリより長いことを考えれば、
後席のヒザ前の余裕に関しては
もうちょっと欲しかったなぁ、
というのが正直な気持ちだ。
そして、
もう1つ残念なことが。
それは後席の頭上の余裕。
身長180cmの俺様が座った状態で、
頭上の余裕は手のひら1枚分ギリギリか、
それよりちょっと少ないか、
というぐらいの余裕しかない。
まぁ頭がつかえるわけじゃないので、
問題ないっちゃあ問題ないのだが、
これまたカムリと比べてしまうと
かなり差があるのが残念だ。
あと、
俺様がこだわる後席シートの
ヘッドレストの位置については、
特に高さ調整しなくても
頭を支えてくれる位置にあるので、
クラウン様としては当り前ながら
ここは合格点。
標準のファブリックシートの座り心地は、
特に斬新な部分はないものの良い感触だ。
ホールド感もほどよい感じで、
クラウンのキャラクターに合っている。
というわけで、
決して居住性は悪くはないのだが、
最近のクルマ全体の居住性の向上や
カムリとの比較を考えると、
4つ★には1歩及ばないかなぁ、、、
といったところだ。
静粛性・・・★★★☆☆
天下のクラウン様、
その伝統の1つは優れた静粛性。
なのだが、、、
ここも★3つの評価にとどまった。(-_-;
というのも、
動力性能の項目のところで触れた、
「動力性能とは無関係なところで
大きな問題が発生!」
と言っていた件。
それがまさに静粛性の問題なのだ!
発進の直後、
加速していく過程で
その問題は顔を出した。
発進後、ゆっくりと加速をし、
速度が10km/hあたりに達すると、
ヒューーーーーー!
という感じの音が
けっこうな音量で聞こえてくるのだ!
アクセルを踏んだ時に
ハイブリッド車が出す高周波音は
これまでに何度となく聞いてきた俺様だが、
それとはまた少し違う感じの音だ。
しかもこの音、
速度によって音量が変化する。
いろんな状況で確認したところ、
この音が発生するシチュエーションには
下記のような傾向があることがわかった。
・時速10km/h以下でも鳴っているが、
その時点では音量は小さく、
それほど気になるレベルではない。
・時速が10km/hに達するあたりから
音量が徐々に大きくなり、
時速15km/h前後で音量がピークに達する。
・時速20km/hを超えると
それほど気にならないレベルまで
音量が小さくなってゆき、
速度の上昇に伴い聞こえなくなる。
・エンジンがかかっている時は、
時速10~20km/hで走っていても
全く聞こえない。
ちなみに言っておくと、
先代クラウンの2.5リッターハイブリッドでも
カムリでも、こんな音はしてなかった。
とにかく「えっ!?」と驚くぐらいの
レベルで聞こえてくるのだ。
しかも時速10~20km/hぐらいの速度は、
街乗りではちょっと混んでる道で
先行車についていく際や、
狭い路地を通る際には多用する速度域だ。
つまり、このクルマを買うと、
しょっちゅうこの音を聞かされながら
走ることになるわけだ。
クラウンほどのクルマに乗って、
そんな拷問みたいな目に遭うなんて
あり得ないよね。。。(-_-)
というわけで、試乗開始早々、
クラウンならではの高い静粛性への
期待を裏切られた俺様は、
隣に乗っている営業マンさんから、
「どうですか?
新型クラウンの感触は?」
と聞かれた時、
正直に言っちゃいました。
「ロードノイズも少ないし、
振動音も少ないし、
全体的な静粛性は高いと思うんですが、
ごく低速で走ってる時に、
ヒューーーー!
ってゆう音が結構なボリュームで
ずーっと聞こえるんですよね。
あれはかなり耳障りですね。
正直、とりあえず
このグレード(2.5のハイブリッド)は
候補としては無しですわ。」
と。
すると営業マンさん、
「確かに聞こえますね。
私も走り始めた瞬間に思ってたんですが、
たぶん、歩行者に存在を知らせるために
クルマがわざと出してる音だと思います。」
とおっしゃるではないですか。(^_^;
そして、
おもむろに取扱説明書を取り出して、
何かを探しておられる。
しばらくして、
「あの音、わざと出してる音、
先代クラウンは設定で消せたんですけど、
どうも新型は消せなくなってるみたいですね。」
と。。。(-_-;
早々の結論で申し訳ないが、
あの音が消せないという時点で、
俺様の愛車候補としてはあり得ない。
ってゆーか、
歩行者に存在を知らせるための音は
歩行者に聞こえればよいのであって、
車内に聞こえる必要はないだろう。
なぜあんなにも車内に聞こえるのか。
こんな音が聞こえる状態で、
よく発売できたものだ。
こんな状態で「良し」と判断するなんて、
本当にちゃんと走行テストしたのだろうか?
俺様がテストドライバーなら、
こんな耳障りな音を車内に
聞かせるような状態のまま、
発売など絶対にさせない。
クラウン様の名誉を守るためにも
全力で阻止するぜ!
とにかくそれぐらいヒドい。(-_-)
先に少し触れたが、
ロードノイズは少ない。
車両自体の遮音性も高いのだろうけど、
履いているタイヤがレグノなので
それも静粛性に効いているのだろう。
荒れた路面を通過する際に
足回りやボディが発する音も
かなり抑えられている印象だ。
つまり、
20km/h以上の速度でまったりと走っていると、
高級車らしいクラウン様の世界観を
堪能することができる。
ただし!
アクセルを深く踏み込んで
急加速をさせようとすると、
やはりお馴染みの
ブオーーーーッ!という感じの
エンジン音が聞こえてくる。
相変わらずクラウン様には
ふさわしくないエンジン音だと感じるのだが、
先代に比べると音量は抑えられており、
音質も先代よりは雑味が取れている。
このへんはカムリと同様の印象だ。
(参考)
【試乗記】 トヨタ カムリ G
そんなわけで、まぁ大目に見てだが、
そのブオーーーッ!というエンジン音は
今回は何とか許容範囲としよう。
しかし、、、
やはりエンジン音の盛り上がりと
加速のリンク感という部分は、
残念な状態である。
アクセルを踏み込んでいくと、
徐々にエンジン音が盛り上がるのではなく、
それまで静かだったエンジンが
ある程度までアクセルを踏み込むと
急に結構な回転数で回り出すのだ。
そう、
メーターが「POWER」の領域に進入すると
急にエンジン音が盛り上がる、
トヨタのハイブリッド定番の挙動。
俺様が好きになれない挙動だ。(-_-)
このリニア感に欠けるフィーリングは、
やはり進化したハイブリッドでも
原理的にどうしようもないのだろう。
あと、
渋滞で停車中に、
それまで止まっていたエンジンが
急に回り始めることがあるのだが、
このアイドリングのエンジン音が
けっこう耳障り。
せめて普通のガソリン車並みに
アイドリングが静かだといいのだが、
ハイブリッドのエンジンは回り出すと
高めの回転数で回る傾向があるため、
アイドリングが騒がしいのだ。(-_-)
というわけで、
クルマの静粛性そのものは
高いレベルにあると思うのだが、
ハイブリッドならではの部分で
その静粛性が崩壊する、
そんな感じだ。
内装質感・・・★★★★☆
先代クラウンに比べると
内装の「高級感」という点では
むしろ後退したような気がするのは
俺様だけだろうか?
いや、別に悪いわけじゃないよ。
★4つの評価を与えてるぐらいだし。
「質感」という意味では十分だと思う。
ただ、
歴代クラウンは高級感の「演出」が
上手かった印象があるのだが、
今回はその傾向が変わったかな、と。
そう感じる要因の1つは、
トヨタお得意の木目調パネルの封印、
かもしれない。
「幾何学柄」という、
よくわからない変な柄の加飾が
採用されているのだが、
色合い的にあまり目立たない。
全体的に派手さを抑えた主張の少ない内装で、
スッキリしたクールな印象だ。
ちなみに、
木目のパネルは「G-Executive」という
一部の上位グレードに採用されているのだが、
「木目調」ではなく「本杢調」。(^o^;
本杢調パネルとは、
「新型クラウンのすべて」35ページの
記載を引用すれば、
「モクセイ科のアッシュ杢を
リアルに再現し、高級感を表現」
したパネルとのこと。
つまり、本物の木ではなく、
あくまでも人工的に作られたパネル。
だけど、普通の「木目調」よりも
もっとリアルを追求しているよ!
という主張だろうか、
だから「本杢調」。(^o^)
新型クラウンのグレードの中では
特に豪華装備が与えられている
「G-Executive」というグレードでさえ、
所詮は「調」止まり、というわけだ。
高級になりすぎることができない、
現在のクラウンの立ち位置の難しさを
感じさせられる部分とも言える。
ダッシュボードやドア内張りの質感は、
まぁクラウン様ですから、
ドア内張りの上部だけは
やや硬さが目立つものの、
特にダッシュボードはソフトな感触で
言わずもがなの十分な質感ではあるのだが、
高級感と呼べるほどの華やかさはない。
特にパワーウィンドウスイッチ等には
多少でも加飾が欲しかったところだ。
あと、
内装の質感とは少し違う話にはなるが、
シフトレバーの操作感が良くない。
レバーを動かす時、
なんか固くてスムーズに動かない。
各レンジの箇所での引っかかり感の
感触が悪く、ゴツゴツした感触だ。
高級車のシフトレバーは、
もっとスムーズにスマートに動いてほしい。
手に伝わるフリクション感が
低質感を感じさせるので、
PからDに動かしていざ発進!という時に
のっけから気分が萎える。(-_-)
本革巻きステアリングは、
正直、見た目の高級感に関しては
先代クラウンのステアリングの方が
王冠マークのオーナメントも大きくて
立派だったように感じる。
こういう細かいところでも
先代より内装の高級感が下がったように
感じてしまうのは残念なところだ。
でもまぁ、ステアリングを
グッと握ると柔らかな感触もあり、
触感もなかなかいい感じ。
特別な高級感は無いものの、
クラウン様として許容範囲内の質感と言える。
ただ、、、
先日アップした記事、
・新型クラウン様が発売になられましたね
に、読者の方から寄せられた
コメントでも指摘があった話で、
ステアリングが
「カローラ スポーツ」
とほぼ同じ
という話。
実際に見比べてみると、
スポークの形状もほぼ同じに近いし、
ステアリングスイッチは完全に同じ。
これは正直、
質感どうこうとは別の話として、
残念なところだ。(-_-)
●新型クラウンのステアリング

●カローラ スポーツのステアリング

クラウンもカローラ スポーツも、
主力グレードのステアリングは本革巻き。
同じ「本革巻き」でも、
クラウンとカローラでは
その触感には差があるのだろうか?
それはカローラ スポーツに
乗ってないのでわからないのだが、
たとえその触感の質感に差があったとしても、
「クラウン」と「カローラ」であれば、
やはり見た目の差別化も明確にしてほしい
と思うのが正直な気持ちだ。
だって、
かつてのトヨタ セダン ヒエラルキーでは、
カローラは底辺、
クラウンは頂点、
だったのだから。。。
まぁカローラ スポーツはセダンじゃなく、
ハッチバックではあるけれど、
でも「カローラ」という名前自体が
底辺を象徴する代名詞だったわけで、
頂点のクラウンとの間には歴然とした
「差」があるのが当然なわけで。。。(-_-)
あと、
これは内装の質感とはちょっと違う話だが、
ドアの開閉の感触について。
高級車クラウン様のドアですから、
やはりその開閉の感触や音には
それなりの質感を求めたくなるところ。
だが、、、
正直、高級感は感じなかった。
まぁ悪いわけではないのだが、
ドスッ!と閉まるんじゃなく、
パスッ!と閉まる、そんな感じ。
好みの問題とは思うのだが、
願わくばもう少し重厚な感触が
欲しいところだ。
装備・・・★★★☆☆
車格の格下げ化が止まらないクラウン様。
今回の新型も例によって例のごとく、
格下げ化が進行しており、
またしても装備がショボくなった。
装備の格下げに関する文句は
あらためて別記事で詳しく書かせて頂くとして、
ここでは淡々とクールに
装備内容を評価していくとしよう。
まず、
さすがにヘッドランプはLED。
ただし、
照射範囲を自動で制御して先行車や対向車に
光が当らないようにしてくれる
「アダプティブハイビームシステム」は、
今回試乗した「S」グレードには付いていない。
その代わり、
単純にハイビーム/ロービームの
切り換えを自動でやってくれる
「オートマチックハイビーム」
は標準で付いている。
クラウン様の装備を語るのに、
こんな基本的な装備の話を持ち出すのも
失礼かとは思うが、前席は当然ながら
パワーシートが標準装備。
運転席は8ウェイ、助手席は4ウェイだ。
えっ?自動ブレーキ?
もちろん付いてますよ。
全グレードに標準装備ですわ。
ただし、
後方に対する安全支援装備は
全てオプションなので付いてまへん。
パーキングブレーキは
今回から電動になった。
ブレーキホールド機能も付いている。
本革巻ステアリングは、
チルト調整とテレスコ調整が電動。
電動調整はドラポジを合わせる時に
調整しやすくていいね。
ちなみに、
乗り降りする際に邪魔にならないよう
自動でステアリングが動いてくれる機能、
「オートチルトアウェイ&リターン機能」
も付いているのがうれしいところ。
フルモデルチェンジで
装備がショボくなっても、
この機能が維持されているところは
ホッとするところだ。
「高級車クラウン」の意地、
といったところだろうか。
驚愕すべきはルームミラー。
なんと「手動」の防眩ルームミラー!
今さらクラウン様に手動防眩とか
あり得ないっしょ?!
俺様的な視点では、
他に特筆すべき装備は特に無い。
ただ、
今回の新型クラウンでやたらと
アピールされている装備と言えば、
コネクティッド
というキーワードに集約される、
T-ConnectナビとDCM(専用通信機)
が全車標準装備という点。
ほら、今までもにあったでしょ、
オペレーターとつながって
ナビの目的地設定してくれるだとか、
店の情報を教えてくれるとか。
有料サービスを登録する必要があって
ほぼ誰も利用してなかったと思うけど。(^^;
あれの機能がさらに充実して、
「ここまでしても利用しないつもりか!」
と言わんばかりに
押し付けがましくなっただけの、
正直どうでもいい機能だ。(^o^)
何が押し付けがましいかというと、
この機能を利用するために必要な
T-Connect for CROWN
という有料サービスの基本料金が、
初度登録日、つまり運輸局にクルマが
登録された日から3年間無料になる。
そう、そこが押し付けがましい。
「3年無料にしたるから使えよ!」
というプレッシャーを感じる。(^o^)
まぁそんなわけで、
高級車クラウン様としては装備は弱い。
廉価版グレードで3つ★ならともかく、
「S」グレードでも3つ★とは実に残念だ。
カーステ音質・・・★★★☆☆
試乗車には標準装備のオーディオが
装備されていたので、そいつの音質を
チェックしてみた。
悪い音ではないが、
ちょっと高音が軽くてヒス気味だ。
低音もあまりインパクトが無い感じ。
昔のトヨタ車は、他社のクルマに比べると
標準オーディオの音質が良かったという
印象があるのだが、近年はその傾向も
なくなってきたと感じる。
まぁ音楽を楽しむ上で
許容範囲の音質ではあるので、
わざわざオプションのオーディオを
検討するほどでもないだろう。
総評・・・★☆☆☆☆
新型クラウン、
まさかの総評1つ★。。。(-_-;
俺様にとって
最も大きなマイナスポイントは、
静粛性の項目で指摘した、
時速10~20km/hあたりで聞こえる
「ヒューーーーーー」という音、
これだ、これが許容できない!
あまりにもウルサすぎる! (>_<)
先にも書いた通り、
この音は歩行者にクルマの存在を
知らせるためにわざと鳴らしている音
である可能性が高いわけだが、
設定で消すことが出来ないのが痛い。
この音が「消せない」というのは、
試乗中に営業マンさんがマニュアル片手に
調べてくれたのだが、
もし単に何かの見落としで、
「実は消せる」ということであれば、
総評を2つ★にしてもいいと思っている。
なので、
もしこの音を消す方法をご存知の方が
おられましたら、ぜひご一報下さい。
評価を2つ★に変更しますので。
(ただし、
あくまでもディーラーが認める方法で
消せることが条件です。
裏技的な方法は一切認めません。)
あと、
走りも正直、不満やね。
ハイブリッドにしちゃあレスポンス悪すぎ。
全然、格下のはずのカムリの方が優秀。
ブン回した時のエンジン音の
音量、音質は先代よりマシになったものの、
相変わらずエンジン音の盛り上がりと
リンクしない加速感。
ショボすぎて実質使えないパドルシフト。
まぁチンタラと街中を流しているだけなら
ボロは出ないのかもしれないが、
クラウン様の走りとしては完成度が低い。
乗り心地は良いだけにもったいない。(-_-)
装備も、大衆車なら気にならないが
高級車クラウンとしては完全に弱いと思う。
先にアップした記事、
・新型クラウン様が発売になられましたね
の中でも書いたが、
今回の新型クラウンで狙うべきグレードは、
Sの"C Package"だろう。
"C Package"にすると、
だいぶ装備にクラウンらしさが出てくる。
純粋な「S」グレードは、
「クラウン」を求めている人は
買うべきではないグレードだ。
というわけで、
新型クラウン全体がダメ
ということではないのだが、
とりあえず今回試乗した
2.5リッターハイブリッドのSグレード、
これに関しては完全に候補としては
論外という結論だ。
そうなると、
新型クラウンの本命グレードは、
2.0 S "C package"
ということになる。
ぜひとも早期に試乗したいところだが、
あいにくお世話になっているディーラーには
今回乗った試乗車しかなく、
しばらくは店舗間での試乗車の入れ替えも
出来そうもない状況とのことで、
試乗できるメドが立っていない。(-_-)
一応、
2.0 S "C package"の試乗車が
準備できそうかどうか、
様子を見て頂くことになっているが、
すぐには期待できそうもない。
月日が経ち、
クラウン目当てのお客さんの来店が
落ち着いてくれば可能らしいのだが。。。
以上、
かなり長くなってしまったが、
新型クラウンが俺様の愛車になれるかどうか、
その判断は2.0リッターターボの
グレードに試乗できる日まで
おあずけとなった。(-_-)
★重要なお知らせ!
当ブログは2018.9.30をもちまして、
「新・辛口クルマ批評」に移転しました。
-------------------------
★庶民の方々へ忠告!
クルマの乗り替えを検討している方へ。
もしあなたにとって、
数十万円というお金が
小さなお金ではないのなら、
ディーラーの下取りに出す前に
必ず買取店の一括査定を
実行して下さい。
俺様も利用している無料一括査定サービス
俺様の経験上、業者によって
査定額に数十万円の差が
つくことはザラにあります!
ディーラーの言い値で
下取りに出したりしたら、
それこそ数十万円単位の損
をすることになりかねません。
買取店の一括査定で
最も高い値段をつけた業者に売れば、
買い替え候補のクルマだって
ワンランク上のグレードが
狙えるかもしれませんよ!
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30代以上のサラリーマンの方へ。
俺様は動き出しました。あなたもそろそろ。(-_-)
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