【試乗記】 マツダ デミオ XD Touring

新型デミオのすべて(ニューモデル速報)

試乗車の概要
車名 | デミオ |
グレード | XD Touring |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | 6速AT |
型式 | LDA-DJ5FS |
排気量 | 1.5リッター(ディーゼルターボ) |
最高出力 | 105ps/4000rpm |
最大トルク | 25.5kgf・m/1500-2500rpm |
車両重量 | 1130kg |
車両本体価格 | 194万4000円(税込) |
試乗日 | 2014年10月31日 |
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2014年9月にフルモデルチェンジされた
マツダ デミオのディーゼル車に試乗した。
以下に、率直なインプレッションを述べる。
なお、今回乗った試乗車には、
メーカーセットオプションの、
「CD/DVDプレーヤー+地デジチューナ」
が装備されていた。
●関連記事
・マツダ デミオ モデルチェンジ情報
・【試乗記】 マツダ CX-3 XD Touring L Package
・【試乗記】 マツダ デミオ 13S
・【エクステリア編】 マツダ デミオ (2014年モデル)
・【インテリア編】 マツダ デミオ (2014年モデル)
・【デザイン総括】 マツダ デミオ (2014年モデル)
試乗インプレッション
【注意!】当ブログの試乗記の見方について
動力性能・・・★★★☆☆
まずは発進の挙動チェックから。
先に試乗した13Sでは、アクセルの踏み始めで
やや過敏気味な反応があり、がっかりしたのだが、
今回乗ったXD Touringは自然な発進でgood!
クルマが動き出してから中速域までの加速も、
アクセルワークに対して自然な加速感で
軽快に加速していく。
次、中速域からの急加速。
これが想像以上にいい感じ。
アクセルを踏み込むと、ディーゼルの割には
意外と素早いレスポンスで加速を開始する。
しかもその加速が実に力強い!
特にジワッとアクセルを踏み増しすると、
まるでアクセルとタイヤがダイレクトに
連動しているかのように、クルマがグイッと
前に押し出される感じで加速していく。
この加速感はなかなか、いや、
かなり気持ちいい。
そして次は、急な上り坂での急加速。
ここでもディーゼルらしからぬ反応の良さで
加速を開始してくれた。
パンチのある加速とまでは言えなかったが、
高回転までブン回す前に充分な加速力が
感じられるため、それほどアクセルを
踏み込む必要性を感じなかった。
ディーゼル搭載車への試乗は、
CX-5、アテンザ、アクセラときて、
今回のデミオで4車種目。
先の3車種に比べてデミオはかなり
車重が軽いので、その恩恵もあってか、
デミオが最もアクセルワークに対する
加速レスポンスが良かった印象だ。
しかし、デミオのディーゼルは1.5リッター
ということで、パワーもトルクも先の3車種
(CX-5、アテンザ、アクセラ)の2.2リッター
ディーゼルと比べるとかなり劣るはず。
にもかかわらず、デミオのディーゼルが
明らかにレスポンスが良いと感じたのはなぜか。
そこで、スペックを調べてみたところ、
今回のデミオの1.5リッターディーゼルは、
1500~2500回転で最大トルクを発生するようだ。
そのため、アクセルを踏み込んでからトルクが
盛り上がるまでのタイムラグが短い上に、
その最大トルクが持続する期間が長いため、
加速感を得やすいのだろう。
逆にCX-5等に搭載されている2.2リッターの
ディーゼルは、2000回転で最大トルクを発生する。
つまり、最大トルクを発揮できる領域に
「幅」が無いのだ。
そういった点で、街乗りの実用域では
デミオの1.5リッターディーゼルのほうが
扱いやすいのかもしれない。
なので、スペック的にはおとなしいはずの
デミオの1.5リッターディーゼルだが、
そのトルク特性と車重の軽さのおかげで、
街乗りにおける体感的な動力性能は、CX-5等の
2.2リッターディーゼルに全く引けを取らないと
感じた。
ちなみに言うまでもないが、
先に試乗したデミオ 13Sとの動力性能の差は、
かなり歴然としたものがある。
乗り心地・・・★★★☆☆
基本的には固めな感触。
13Sよりは少しマイルドな動きだが、
それでも荒れた路面を通過したときの
上下動は大きめで、しなやかさが足りない感じ。
しかしそれは俺様の理想と比較すればの
話であって、スポーツグレードと考えれば、
これはこれでなかなか程良いところを突いた
セッティングとも思える。
13Sよりムダな動きが少ないため、
路面との接地感、インフォメーションが
より分かりやすかったように思う。
もう少しサスをしっかりストロークさせて
上下動が抑えられれば、かなり上質感が
出てくると思うだけに惜しいところだ。
というわけで、荒れた路面では少し動きが固く、
ボディサイズの小ささも手伝ってヒョコヒョコ
とした動きが出たりもするのだが、
不要なボディ振動もほとんど無いし、
日本の他社のコンパクトカーと比べれば
かなり上質な乗り心地だと思う。
あと、地味な話ながら驚いたのは、
ブレーキの感触が素晴らしかったこと。
完全停止する際の微妙なブレーキコントロールに、
車両が極めて繊細に反応してくれる。
そのため、まったくカックンにならないどころか、
ピッチング(pitching)の動きすら発生せずに
(感じさせずに)停止することができる。
俺様の試乗史上、こんなにキレイに
完全停止できるクルマは初めてだ。
13Sに試乗したときはそこまで驚くほどの
感触ではなかったはずなので、ひょっとしたら、
ブレーキ性能や車重、前後重量配分のバランスで、
XD Touringが絶妙な条件にハマっているのかも。
居住性・・・★★☆☆☆
「13S」と同じ。
静粛性・・・★★☆☆☆
加速時にヒューンという音が聞こえるのが印象的。
CX-5やアテンザ、アクセラのディーゼルでは
このような音は聞こえなかったが、
隣に乗ってた営業マンいわく、
「デミオのディーゼルは、CX-5やアテンザの
ツインターボディーゼルとは違って
シングルターボなので、
それで音が違うんだと思います。
ヒューンっていうのはタービンの回る音ですね」
とのこと。
アクセルを踏み込むたびにヒューン音が
聞こえるのだが、まぁさほど耳障りな音でもないし
音量がすさまじいわけでもないので、
大きな問題ではないと思う。
あと、ディーゼル音は相変わらずで
聞けばディーゼルとすぐに分かるような音だが、
CX-5やアテンザの2.2リッターディーゼルよりは
ワイルド感が薄まった感じの音だ。
レスポンスのみならず、「音」の面でも
現在のマツダのディーゼルエンジン搭載車の中では、
最もガソリン車の雰囲気に近いディーゼル、
と言っていいかも。
ただ、気になったのは、急加速でアクセルを
踏み込んだ直後に、いわゆるノッキング音のような
「コロコロ・・・」という音が聞こえるところ。
アクセルを踏み込んだ最初の一瞬だけ
聞こえるだけで、すぐに収まるのだが、
一瞬聞こえるその音がどうにも気になった。
というのも、俺様はノッキング音が大嫌いなのだ。
以前に俺様が乗っていたセドリックは、
直噴エンジンということもあってプラグにカーボンが
カブりやすく、何千kmか走行すると加速時の
一瞬だが、よくノッキングするようになった。
(アクセルを踏み込んだ瞬間、「コロ・・」と
一瞬だけノッキング音がする)
そのホンの一瞬のノッキング音が気に入らない
というだけで、そのたびに点火プラグを
全て新品に交換をしていたのを思い出した。
そこまでするぐらい、俺様はノッキング音の
発生を絶対に認めない。
よく、坂道でコロコロとあからさまな
ノッキング音を立てて走っているクルマを
見かけるが、よくあんな状態で平気で
乗っていられるなぁと思う。
このデミオの1.5リッターディーゼルンジンが
急加速時に発するノッキング音(?)は、
俺様が以前に乗っていたセドリックのプラグに
カーボンがカブった状態よりも、少し長い時間
ノッキング音がする。
急加速さえしなければそのような音はしないため、
大きな問題ではないのだが、このあたり、
もう少し熟成が必要だと思う。
内装質感・・・★★★☆☆
「13S」と比べると、まずシートがいい感じ。
レッドステッチが入ったブラックのクロス。
これの見た目の質感がなかなかのレベルだ。
そして何より、インパネの加飾パネルや
インパネのコンソールサイドが
ブラックの合成皮革で仕上げられており、
見た目も触感も上質感がある。
あと、ステアリング、パーキングブレーキレバー、
シフトノブが標準で本革巻となっていて、
そのへんもさりげなく上質感を演出している。
でも、「13S」と異なるのはその程度。
ダッシュボードもドア内張り上部も、
「13S」と同様にプラスチックなのだが、
全体としての質感の調和が取れており、
実に上手くまとまっている。
このクラスとしては異例とも言える評価だが、
これだけの雰囲気が出せているのであれば、
かろうじて3つ★は与えていいと思う。
装備・・・★★☆☆☆
「13S」ではオプション扱いだった、
・LEDヘッドランプ
・オートライト、
・レインセンサーワイパー
・フルオートエアコン、
・アドバンストキーレスエントリーシステム、
・ステアリングシフトスイッチ(パドルシフト)
・本革巻ステアリング
・本革巻シフトノブ
・本革巻パーキングブレーキレバー
などが標準装備されるだけでなく、
「13S」には設定されていない装備、
・アクティブドライビングディスプレイ
・16インチアルミホイール
なども標準装備となる。
とはいえ、それらのほとんどは、
一般的には今や付いてて当たり前の装備なので、
評価を3つ★にするほどの装備内容ではない。
まぁでも、コンパクトクラスとしては
上等な装備内容と言っていいのではないだろうか。
カーステ音質・・・★★☆☆☆
試乗車には、
「CD/DVDプレーヤー+地デジチューナ」
が付いていたので、その音質をチェックした。
悪い音ではなかったが、ボーカルの音域の
インパクトが若干弱い。
低音、高音は意外としっかり出ていたが、
いずれも感動するようなレベルではない。
まぁ率直に言うと、少々物足りない感じ。
かろうじて許容レベルではあるが、
出来ればオプションに高音質オーディオの
設定があればありがたいのになぁ、
といったところ。
オプションにダイヤトーンのスピーカーがあるが、
これに替えたらちょっとはマシになるのかな?
もしスピーカー以前にアンプがショボいのなら、
スピーカーだけ替えてもあんまり意味ないし、
どうせ替えるならオーディオのシステムごと
替えたいところなのだが・・・。
総評・・・★★★☆☆
とりあえず「13S」よりはイイね。
まず動力性能が圧倒的に違う。
過去の試乗でディーゼルに不満に感じていた
レスポンスの問題も、これまでの2.2リッターの
ディーゼルと比べると良かったし、
音のディーゼルっぽさも少し薄まってて、
許容レベルと言っていいだろう。
内装の質感も装備も、価格を考慮すれば
許容レベルはクリアしているし、
トータルで見てなかなかレベルは高いと思う。
少なくとも、日本の他社のコンパクトカーは
相手にならないね。完全に格が違うよ。
ただそれだけに、急加速時の最初に一瞬だけ
聞こえてくるあのノッキング音(?)は残念だ。
ってゆーか、なぜあの状態で発売してしまうのか。
俺様が開発責任者なら絶対にOKは出さない。
まぁそこは今後の熟成に期待するとしよう。
とりあえず、じわっと加速させれば大丈夫なので、
あんまりキビキビ走らせようとせず、
ゆったりと走らせれば非常に気持ちよく
乗ることができると思うし、
そこもなんとか許容レベルはクリア、かな。
300万するクルマなら許さないけど。(^o^)
というわけで、完璧ではないものの、
コンパクトクラスとしては総合的に見て
かなりレベルの高い出来栄えだと思う。
3つ★は与えていいだろう。
値引きしだいでは4つ★レベルにもなり得るし、
一応、愛車候補としてはキープレベルだ。
→ デミオ関連商品
★重要なお知らせ!
当ブログは2018.9.30をもちまして、
「新・辛口クルマ批評」に移転しました。
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★庶民の方々へ忠告!
クルマの乗り替えを検討している方へ。
もしあなたにとって、
数十万円というお金が
小さなお金ではないのなら、
ディーラーの下取りに出す前に
必ず買取店の一括査定を
実行して下さい。
俺様も利用している無料一括査定サービス
俺様の経験上、業者によって
査定額に数十万円の差が
つくことはザラにあります!
ディーラーの言い値で
下取りに出したりしたら、
それこそ数十万円単位の損
をすることになりかねません。
買取店の一括査定で
最も高い値段をつけた業者に売れば、
買い替え候補のクルマだって
ワンランク上のグレードが
狙えるかもしれませんよ!
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★目次リンク
→ 試乗記の目次
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30代以上のサラリーマンの方へ。
俺様は動き出しました。あなたもそろそろ。(-_-)
→ クルマが好きだから、そろそろ人生の軌道修正
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