【試乗記】 BMW M135i

試乗車の概要
車名 | 1シリーズ |
グレード | M135i |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 8速AT |
型式 | DBA-1B30 |
排気量 | 3.0リッター(ターボ) |
最高出力 | 320ps/5800rpm |
最大トルク | 45.9kgf・m/1300-4500rpm |
車両重量 | 1540kg |
車両本体価格 | 566万円(税込) |
試乗日 | 2015年3月14日 |
2011年9月にフルモデルチェンジされ、
その後、装備追加等の一部改良を受けて現在に至る
BMW1シリーズ。
その1シリーズの中でも、M社がチューニングを
おこなっている特殊なグレード、M135iに試乗した。
以下に、率直なインプレッションを述べる。
★「M135i」について
M135iは、BMWの各モデルに設定される
いわゆる「Mスポーツ」などとは全く異なる。
エアロなどのスポーツ系パーツを身にまとって
「M」っぽく仕上げているだけではなく、
M社がチューニングをおこない、
専用シャシーまで用いられている。
→ M135iについての詳細はこちら
●関連記事
・BMW 1シリーズ モデルチェンジ情報
・【試乗記】 BMW 120i Style
・【試乗記】 BMW 116i Style
試乗インプレッション
【注意!】当ブログの試乗記の見方について
動力性能・・・★★★★★
M135iは、BMW M社がチューニングを手がける
「M Performance Automobiles」ということで、
限りなく「M」に近いモデル。
なので、その動力性能の高さについては
もはや確認するまでもないところなのだが、
逆に街中での通常の走行で扱いにくい仕上げに
なっていないかが気になるところ。
では、まずは俺様がこだわる発進の挙動から。
おそるおそるアクセルを踏んでみたが、
良い意味で意外にも普通の反応。
安物のクルマにありがちな、出足の良さを演出した
ような飛び出し感は無く、違和感の無い感触だ。
もちろん、出足が鈍いというのではない。
踏めば踏んだだけ、強力なダッシュ力も
発揮してくれる。
そして、アクセルを踏んだときの排気音が
これまた良くて、低音が効いてて勇ましく、
スポーティーかつ洗練されている。
発進後から中速域までの加速もスムーズで、
強力なツインパワーターボエンジンでありながら、
アクセルの踏み込みに対してリニア感のある
自然な反応を見せてくれる。
普通に走ろうとしてるのに急にドカン!と
来るようなことはなく、非常に好印象だ。
そして、いつもの急坂での加速力チェック。
そんなにブン回したわけではないのだが、
3千回転ぐらいで充分に強力な加速ができた。
1300回転という低回転から最大トルク45.9kgmを
発揮するという特性が効いているのだろう。
さすがにパワフルだ。
ただ、レスポンスの素早さに関しては、
いかにMのチューニングと言えども、
「スカイライン ハイブリッド」や
電気自動車の「リーフ」みたいな、
モーターのアシストを使うクルマと比べれば
どうしても劣るので、それらに近い俊敏さを
求めるのであれば、ドライブモードを
「スポーツ」か「スポーツ プラス」
に切り換えるとよいだろう。
スポーツモードやスポーツプラスモードは
実際に試してみたわけではないのだが、
今の愛車528iでも、スポーツモードにすると
あからさまに鋭く反応するようになるので、
M135iならばなおのこと当然、
さらにキレキレな反応を見せてくれること
間違いなしだろう。
と、ゴチャゴチャ書いたが、シンプルな話、
動力性能の高さについては申し分ない。
とにかく、アクセルを踏み込むと、
途切れることのない加速力が
底知れず沸いてくる感じだ。
同じターボでも、スバルのレヴォーグみたいに
どこかの回転数を超えたところからドカンとくる
感じではなく、ターボらしからぬリニア感がある。
M社による専用チューニングということで、
反応が過激すぎないか心配していたが、
これなら日常使いでも全く問題ないね。(^_^)
乗り心地・・・★★★★☆
これは正直、意外だった。
「M」の足回りということで、もっと堅めで
ゴツゴツするのかと思っていたのだが、
まったくそんなことはなかった。
むしろ116iや120iと比べても
ダンピングがよく効いていて、
車体のムダな上下動が抑えられている。
試乗から帰ってから、ディーラーでもらった
カタログを見てみたら、どうやらM135iには
専用チューニングされた
「アダプティブ M サスペンション」という
電子制御の可変ダンパーが装備されているようだ。
フワッとした感じや、まろやかなやんわり感
などは一切なく、路面に張り付くような接地感。
それでいて、ガチガチに締め上げられたという
感じもしない。
この乗り心地は、スポーツモデルとしては、
まさに理想的なセッティングではないだろうか。
マツダのアクセラ 15Sのような
「しなやかさ」も感じさせつつ、
そこにさらにスポーティーな感触を
植えつけた感じ。
路面の荒れたところを通過した時の、
ダンピング量が適切で、ムダに跳ねたりせず、
揺れが残らずスパッ!と収まる。
それに、ボディの振動もよく抑えられている。
これもM社による専用シャシー設定とやらの
効果なのだろうか?
116iや120iと比べるとなぜか振動が少ないし、
ここ最近(2013年以降)に発売された
新型車たちと比べても負けていないと感じた。
とにかく、この足回りのセッティングなら、
スポーティーな感触を楽しみつつも、
日常使いでも不快感を感じることなく
使用できそうだ。
ちなみに、試乗では試さなかったが、
ドライブモードを「スポーツ」や
「スポーツプラス」にすると、
「アダプティブ M サスペンション」の
ダンパーが堅めに設定されるとのこと。
しかし、この足回りの評価、
★の数をいくつにすべきかは、
なかなか難しい。
スポーツモデルの乗り心地としては
5つ★を与えてもよいレベルだと思う。
それぐらい絶妙なチューニングだ。
しかし、俺様はほぼ街乗り使用なので、
街乗り使用での俺様の理想から考えれば、
5つ★とまでは言えないかな、と。
もう少し「路面をナメるような」感触
というか、「まったり感」があったほうが、
街乗りでは快適性は高いので。
居住性・・・★★★☆☆
これは基本的には116iや120iと同じだ。
(参考)
【試乗記】 BMW 116i Style
ただ、116iと120iでは4つ★をつけたのだが、
今回は3つ★とさせて頂く。
というのも、最近のクルマは全体的に
居住性は向上してきているので、
現時点(2015年)での他車との相対比較で
評価すれば、3つ★相当という判断だ。
静粛性・・・★★★☆☆
やはり「M」ということで、
エンジンの音、と言うか、排気音かな?
これは明確に「聞かせてる」感がある。
もちろん、普通に流していれば静かだが、
回した時にエンジンが存在感をアピールするので、
静粛性としての評価は3つ★どまりだ。
しかし、印象としてはかなり良い。
それはやはり、聞こえてくる音の音質が良いから。
そのスポーティーなエンジンサウンドは、
もう素晴らしいの一言につきる。
車内に聞こえてくる音も素晴らしいが、
車外で聞いた音が、これまた素晴らしい! (^o^)
(営業マンの方に運転席に乗ってもらい
空ぶかししてもらって車外の音を聞いてみた)
というわけで、3つ★という評価でありながら、
悪い印象は全く無い。
むしろ、車内へと透過してくるその洗練された
「サウンド」を聞くこと、いや、聴くこともまた、
このクルマを走らせるうえでの大きな楽しみの1つ
と言ったほうがいいだろう。
内装質感・・・★★☆☆☆
シート素材や色使いのコーディーネートが
グレードによって変わるものの、
基本的には116iや120iと大して変わらん。
(参考)
【試乗記】 BMW 116i Style
装備・・・★★★☆☆
120iの装備と比べれば大した差はない。
とはいえ、スポーティー系の装備、
・パドルシフト
・アダプティブ M サスペンション
(電子制御式ダンパー)
が追加となる点はポイント高いね。(^_^)
あとはホイールが違うとか、
エキゾーストテールパイプが違うとか、
「M」の手が入っていることを示すような
装備の違いがある。
でもまぁ、実質的な装備らしい装備の差だけを
考えると、4つ★にするほどではないな、
という感じ。
(参考)
【試乗記】 BMW 120i Style
カーステ音質・・・★★★☆☆
以前、116iに試乗した際、そのオーディオの
音質のヒドさにはド肝を抜かれた記憶があるので、
覚悟してオーディオの音質チェックをしてみた。
しかし、意外にもなかなかの音質だった。
特に素晴らしいという部分も無いのだが、
特に悪いところもない。
低音、高音ともにしっかり出ているし、
各音域のレベルバランスにも違和感がない。
試乗から帰ってからカタログをチェック
してみたところ、M135iのオーディオは、
116iや120iのオーディオよりも少々上等な
オーディオが搭載されているようだ。
このオーディオなら、まぁまぁ、
音楽ソースを楽しめるレベルにあると
言っていいだろう。
総評・・・★★☆☆☆
うーーーん、「走り」を楽しむという観点では、
このクルマは確かにいいクルマだ。
なんせ0-100km/hのタイムが4.9秒らしいので、
パワフルであることは言うまでもないのだが、
その力強さだけでなく、エンジンを回した時の
洗練されたサウンドや、「スポーツの理想形」
とも言うべき乗り心地のセッティングなど、
走りに関する各要素のレベルが非常に高い。
しかし!
問題はその価格だろう。
現在、2015年3月時点での価格表に載っている
車両本体価格は、なんと566万円!
標準の116iなら317万円、
同じく標準の120iなら378万円だ。
そしてM135i、566万円。。。(^o^;
確かにいいクルマだけど、
「突出した走りの良さ」以外には、
同じく1シリーズの中間グレードと言っていい
標準の120iと比べても、大した差は無い。
だけど、価格差は200万円に届こうか
というぐらい、大きな差があるのだ。
その120iだって相当に走りは良いので、
オーバースペックとも言えるM135iに
そこまでお金を出しますか?って話で。(-_-)
俺様のように、普段の使用シーンが、
ほとんど街乗りであるという場合、
M135iを買っても「もったいない」という
状況になるのは明白だ。
それなら、走りは120iレベルで充分なので、
内装や装備など、街乗りでも恩恵が受けられる
部分に差額の200万円をかけたい、
と思うのが普通だろう。
なので、普通に評価した場合、
価格を加味した総評においては
1つ★にすべきところかもしれない。
でもね、これ、ホント、
ほとんど「M」、なんですよ。(^_^;
M3やM5といった純粋な「M」ではないけれど、
見た目やパーツだけ「M」と同じとかいう、
なんちゃって「M」とも違う。
M社がチューニングをおこなっている、
いわば、「M」を庶民にも手が届くように
現実的なお値段で提供した、
限りなく「M」に近いモデルなんですよ。
いや、もはや「M」と呼んでもいいぐらいに。
なので、見方を変えて、
「Mの新車が566万円で買える!」
と考えれば、これはこれで、
実はリーズナブルと言えるのかもしれない。
そう考えると、「M」の走りを手にしたい人々
にとっては、決して高いとは言えない価格、
とも考えられるのだ。
というわけで、2つ★という評価とさせて頂く。
★重要なお知らせ!
当ブログは2018.9.30をもちまして、
「新・辛口クルマ批評」に移転しました。
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★庶民の方々へ忠告!
クルマの乗り替えを検討している方へ。
もしあなたにとって、
数十万円というお金が
小さなお金ではないのなら、
ディーラーの下取りに出す前に
必ず買取店の一括査定を
実行して下さい。
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俺様の経験上、業者によって
査定額に数十万円の差が
つくことはザラにあります!
ディーラーの言い値で
下取りに出したりしたら、
それこそ数十万円単位の損
をすることになりかねません。
買取店の一括査定で
最も高い値段をつけた業者に売れば、
買い替え候補のクルマだって
ワンランク上のグレードが
狙えるかもしれませんよ!
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★目次リンク
→ 試乗記の目次
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30代以上のサラリーマンの方へ。
俺様は動き出しました。あなたもそろそろ。(-_-)
→ クルマが好きだから、そろそろ人生の軌道修正
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