【試乗記】 BMW 420i クーペ M Sport - 辛口クルマ批評

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【試乗記】 BMW 420i クーペ M Sport


420i_coupe_M_Sport.jpg

試乗車の概要


車名4シリーズ クーペ
グレード420i クーペ M Sport
駆動方式FR
トランスミッション8速AT
型式DBA‐3N20
排気量2.0リッター(ターボ)
最高出力184ps/5000rpm
最大トルク27.5kgf・m/1250-4500rpm
車両重量1540kg
車両本体価格538万円(税込)
試乗日2015年8月22日

 2013年9月に、3シリーズ クーペの
後継モデルとして発売された4シリーズ クーペ。

 発売当初は428i系と435i系のグレードのみだったが、
2014年1月、420i系のグレードが追加設定された。

 今回はその420i系のスポーティモデルである
420i クーペ M Sportに試乗した。
以下に、率直なインプレッションを述べる。

●関連記事
BMW 4シリーズ モデルチェンジ情報
【試乗記】 BMW 420i グランクーペ M Sport



試乗インプレッション


【注意!】当ブログの試乗記の見方について

動力性能・・・★★★☆☆


 420iのエンジンは、すでに熟成の時を迎えている、
近年のBMWではおなじみの2リッター直4ターボ。

 このエンジンは、
「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」
の1.8~2.0リッター部門において、2012年、2013年と
2年連続で大賞に輝いたエンジンだ。


 それはさておき、まずは発進の挙動チェックから。

 ターボでありながら、アクセルワークに対して
リニアで自然な挙動が好印象。
唐突な飛び出し感もなく、発進加速にも不満はない。


 ただ、発進後から中速域までの加速時に関しては、
加速中にエンジンの振動を強めに感じる瞬間が
時々あった。

 加速そのものはスムーズで軽快なだけに、
時々とはいえ、そのような不要な振動が発生するのは、
走りがウリのBMWとしては残念なところだ。

 なんだかんだ言っても所詮は4気筒だからなのか、
それともどこかの組み付け誤差等による個体差で、
たまたま運の悪い車両だったのか、
そのへんはわからないが。


 そしてお次は、いつもの急坂での加速力チェック。
アクセルを踏み込むと、エンジンの回転数上昇に
リンクして、リニアな加速力を発揮してくれた。

 まぁパワーもトルクも大したことないので、
パンチ力と呼べるほどの加速力があるわけではないが、
ちゃんと回せば回した分だけしっかりと加速する、
というイメージだ。
体感的なパワー感で言えば、アテンザの2.5リッターと
同じぐらいの感じかな。

 なので、良い意味でも悪い意味でも、
ドカン!と来るような古典的ターボ的挙動は皆無。
これは俺様的には好印象な感触だ。


 ただ、平地での急加速も含め、
アクセルを踏み込んでから加速力が発生するまでの
タイムラグは、思ってたより少し大きめかな、
という感じがした。

 と言っても、ターボによるタイムラグではなく、
キックダウンするまでに少しためらいがある感じ。
そこそこ踏み込んでも今のギヤをキープしようとする
傾向が強いためだ。
キックダウンして回転数が上がってしまえば、
そこからの加速にはほとんど遅れはない。

 トルクにもっと余裕があれば、その「ためらい」を
感じさせるまでに上のギヤのままでそれなりの加速が
可能なため、もたつき感は緩和されるのだが、
そこまでトルクに余裕がないので、結果として
加速が遅れるという印象が残るのだろう。

 なので、急加速させたい時はキックダウンより、
パドルシフトでシフトダウンさせてから
アクセルを踏み込んだほうが、意図した通りの
急加速ができる。
実際、パドルシフトも使ってみたが、
マニュアルモードにしなくてもDレンジで
いきなりパドルシフトによる変速が可能だし、
変速動作も素早いので、かなり有効に使える。


乗り心地・・・★★★☆☆


 グレードがMスポーツのため、サスペンションには
「Mスポーツサスペンション」が装備されている。
一言で言えば、印象としては固めの印象だ。

 荒れた路面を走らせた時、サスペンションの
ストローク感が少なく、路面の凸凹に対して忠実に
上下方向に揺すられる感じ。

 不快なショックのカドはないのだが、
個人的な好みとしてはもうちょっとしっかり
サスをストロークさせて、車体の上下動を
抑え込んでほしい。

 まぁでもそれと引き換えに、接地感というか、
路面を捕らえてる感じというか、ステアリングに
伝わるインフォメーションなどは素晴らしく、
非常に安心感がある。

 Mスポーツというグレードの性格を考えれば、
これはこれでBMWが狙った通りの感触なのだろう。


 そして、特筆すべきは横方向への揺れの少なさ!
このクルマ、ぜんぜんロールを感じないッス。(^^;

 3シリーズより車高が低く、車幅は広いという
ロー&ワイドな4シリーズのボディの特徴が
かなり効いているのかも。しかもクーペだし。

 とにかく、荒れた路面を走らせても、
コーナーでクイック気味にステアリングを切っても、
横方向に関しては揺れがほとんどなく、
路面に張りつく感じがハンパない。
これは驚くほどの安定感だ。

 また、Mスポーツのシートはスポーツシートのため、
サイドサポートがしっかりしていることもあり、
それが横方向に対する安定感をより一層
高めているのかもしれない。


居住性・・・-----


 クーペということで、広さに関しては
チェックの対象にしなかったので、
居住性については評価せず。

 ただ、運転席に関しては、ステアリング調整や
シートの調整など、特に不満なところはなく、
自分の運転しやすいドライビングポジションに
しっかり合わせることができたので問題なし。


静粛性・・・★★★☆☆


 走らせての第一印象は、
ロードノイズが少し大きめかな、という感じ。
クーペのM Sportということで、スポーティーな
性格のクルマだけに、静粛性よりも運動性能を
重視したタイヤを履いてるのかもしれない。
(銘柄等は確認しなかったが)

 エンジン音に関しては、過度に聞かせるような
演出はされておらず、基本的には静かだ。

 しかし、回転数を意識的に上げてブン回すと、
4気筒ながらスポーティーかつ上質なサウンドを
聴かせてくれる。

 もちろん、いま俺様が乗っている528iの
直6NAエンジンのサウンドと比べると、
音質が軽い感じで重厚感は物足りない。

 だが、走りの軽快感との相性という観点では、
このエンジン音の音質は合っていると思う。


 あとは、「動力性能」の項目でも触れたが、
時々、加速中にエンジンの振動を強めに
感じる時があり、その際、どこかでボディの一部が
共振して振動してる感じの音が聞こえるのが
少々残念だった。


内装質感・・・★★☆☆☆


 相変わらずBMWのクルマは内装の質感が低い。
いま俺様が乗っている5シリーズでさえ
質感はショボいので、4シリーズならなおさらだ。

 細かいところまで比較はしていないが、
基本的には3シリーズの内装とパッと見は同じ。
質感が低いのは今に始まったこっちゃないが、
4シリーズなら4シリーズとしての、
個性的な内装にしてほしいものだ。


 まぁダッシュボードやドアの内張りなどは
一応ソフトパッドになっているし、
「デミオですら3つ★評価を与えたのに
 ここで2つ★評価というのは厳しすぎる!」
という意見もあるかもしれないが、
印象として2つ★なのだからしょうがない。


 なぜそこまで質感の印象が悪いのか。

 俺様が思うに、恐らくシフト周りに
プラスチックが多用されているところが、
パッと見の質感に大きな影響を与えているのだろう。

 この部分だ。
   ↓
420i_coupe_M_Sport_int.jpg


 なにしろよく目線を落とす所だけに、
ここの質感が悪いと印象が悪い。
逆に言えば、ここを少し加飾するだけで
全体の印象は随分と良くなると思うのだが。。。


装備・・・★★★☆☆


 2014年に発売されたこの価格帯のクルマとしては、
率直に言って装備内容はショボい。

 420iは後追いでの追加設定で発売されたので、
基本的には4シリーズ クーペは2013年に
登場したクルマ。

 しかも、内装を見てもわかるように、
そもそも4シリーズ自体が3シリーズを
ベースとしている部分が多いため、
装備内容に関しては2012年に登場した
現行3シリーズの内容を引きずっている。

 そうなると、やはりイマドキとしては、
装備内容の古さは目についてしまうところ。


 この価格帯なら、せめてLEDヘッドライトとAFS、
地デジチューナーぐらいは標準装備してほしいが、
ヘッドライトはキセノンで、AFS(BMWで言えば
アダプティブ・ヘッドライト)も付いていない。
ナビは標準装備なのに、地デジチューナーは
オプション扱いだ。

 また、最近では車両後方に対する安全支援装備を
標準装備する新型車が増えてきているが、
後方支援の安全装備も一切ついていない。

 BMW自ら、
「プレミアム・クーペ・セグメントをリードする」
と語る車種ならば、もうちょっと頑張ってほしい
装備内容だと思う。


カーステ音質・・・★★★☆☆


 標準装備の6スピーカーのオーディオシステム。
こいつの音質チェックをしてみた。

 結論、普通。(^o^;

 まぁ特に悪いと感じるところも無いし、
特に良いと感じるところも無い、そんな感じ。
音楽ソースを楽しむ上で、最低限の音質は
クリアしてるので、まぁ良しとしよう。


総評・・・★★☆☆☆


 「走り」は確かにクーペらしいスポーティーさが
感じられるもので、ドライビングを楽しむ上で
必要十分以上の性能は備えていると思う。

 420iでは動力性能が足りないのでは?
と心配する人も多いだろうと思うが、
スポーツモードやパドルシフトを使えば
レスポンスの良いキビキビした運転を楽しめる。

 ちなみに、BMWが公開している0-100km/hの
加速タイムは7.3秒だ。

 加速にパンチ力が欲しい人には向かないが、
7秒台前半なら、普通に速い方だと思う。


 まぁ内装の質感や装備を考えると、
イマドキとしては厳しい評価をつけざるを得ないが、
あの「走り」の独特の安定感はこのクルマが持つ
強烈な個性と言えるものであり、存在する意義のある
クルマだと思う。


 というわけで、1つ★というのは厳しすぎる。
その走りの個性に敬意を表して、2つ★を進呈しよう。

 えっ?
それでも2つ★かよ!ってか。(^o^)

 まぁ価格も含めた「総合力」という観点では、
悪いけど2つ★が限界ですわ。(^^;


★重要なお知らせ!
 当ブログは2018.9.30をもちまして、
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非公開コメント

Re: タイトルなし

辛口系男子(管理人)です。

> 価格やセグメント、質感や居住性関係なく、
> 日本の一般道路を捕まらないように走って
> 楽しい車ランキングを作ったら、
> どんな感じになりますか?
> 拝読してる限りは↓でしょうか。
> GOLF90点
> アクセラ70点
> レガシィ65点

 なかなか面白い、鋭いご質問ですね。(^o^)

 しかしこの質問に即答するのは、
正直難しいですね。

 というのも、
どういった乗り味を「楽しい」と感じるかは
人によって随分と異なるからです。

 重厚な乗り味を良しとするか、
軽快な乗り味を良しとするか。

 スポーティーなエンジンサウンドを良しとするか、
絶対的に「静か」であることを良しとするか。

 スポーティーさが色濃い乗り心地を良しとするか、
マイルドで柔らかい感じの乗り心地を良しとするか。

などなど。


 でも、ご質問の意図はよくわかります。
たぶん、おっしゃるようなランキングを
知りたいと思われる読者の方は、
他にもたくさんおられるかと思います。

 なので、そのへんはある程度
「キャラ別」に分類してランキングし、
あらためて後日、記事として掲載しようかと
思います。

 ちょっと分類しつつのランク付けなので、
少々記事作成には時間を要するとは思いますが。(^^;

2015-09-04 09:28 | from 辛口系男子(管理人) | Edit

いつも楽しく見てます。
価格やセグメント、質感や居住性関係なく、日本の一般道路を捕まらないように走って楽しい車ランキングを作ったら、どんな感じになりますか?
拝読してる限りは↓でしょうか。
GOLF90点
アクセラ70点
レガシィ65点

2015-09-02 18:46 | from -

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