【試乗記】 BMW 420i グランクーペ M Sport

試乗車の概要
車名 | 4シリーズ グランクーペ |
グレード | 420i グランクーペ M Sport |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 8速AT |
型式 | DBA‐4A20 |
排気量 | 2.0リッター(ターボ) |
最高出力 | 184ps/5000rpm |
最大トルク | 27.5kgf・m/1250-4500rpm |
車両重量 | 1610kg |
車両本体価格 | 563万円(税込) |
試乗日 | 2015年9月9日 |
2014年6月に発売されたBMWの新たなモデル、
4シリーズ グランクーペに試乗した。
以下に、率直なインプレッションを述べる。
なお、今回試乗したグレードは、
「420i グランクーペ M Sport」だが、
すでに同じく4シリーズのクーペに
試乗済みのため、評価はクーペとグランクーペの
差分に着目する形でおこなうことにする。
●関連記事
・BMW 4シリーズ モデルチェンジ情報
・【試乗動画】 BMW 420i グランクーペ M Sport
・【試乗記】 BMW 420i クーペ M Sport
試乗インプレッション
【注意!】当ブログの試乗記の見方について
動力性能・・・★★★☆☆
クーペに試乗した時とほぼ同じ印象。
(参考)
【試乗記】 BMW 420i クーペ M Sport
ただ、車両重量がクーペよりも70kg重いせいか、
軽快感は若干薄れたような気がしなくもないが、
だからと言って遅くなったという感じもない。
むしろ、動きに多少の重厚感がプラスされて、
いい感じだと思う。
ちなみに0-100km/hタイムは、
クーペの7.3秒に対し、グランクーペは7.6秒だ。
あと、クーペに試乗した際に感じた、
「発進後から中速域までの加速時に
エンジンの振動を強めに感じる時がある」
という印象は、今回のグランクーペでも同様。
そこが少し気になっていろいろ試したのだが、
わかったことは、エンジンの回転数が
1000~1200回転あたりの時に
ビミョーな加速をさせようとした時、
強めの振動が感じられる場合が多いようだ。
このクルマに搭載されている8速ATは
結構早めにポンポンとシフトアップするので、
発進後しばらくすると1000回転チョイぐらいで
巡航しようとする。
その状態からビミョーな加速をさせようとすると、
ノッキングしない程度にシフトをキープしたまま
加速しようとするのだが、その際にエンジンの
振動が大きめになり、「こもり音」が発生する。
これが大きめの振動を感じる原因のようだ。
なので、パドルシフトなどでシフトダウン
させてから加速すれば、そのような大きめの
振動は出なかった。
あるいはスポーツモードで走行していれば
高めの回転数でスタンバっているため、
ビミョーな加速をさせても振動は少ない。
というわけで、燃費を抑えるために上のほうの
ギヤをキープして頑張ろうとするんだけど、
その割にはトルク性能に余裕が少ないために、
加速のさせ方によっては振動が強めに
出てしまうようだ。
まぁそのへんのクセさえわかってしまえば、
パドルシフトを使用することにより
不快感を感じずに走行させることが可能だ。
いや、パドルシフトを使えば、不快感どころか
便利で楽しい。
逆に言うと、少なくとも420i系のグレードには、
パドルシフトは必須の装備と言うべきかもしれない。
今回乗ったM Sportではパドルシフトは
標準装備なのだが、その他の420i系グレードでは
オプション扱いとなっている。
よって、M Sport以外を選ぶ人は、
オプションで必ず付けるべき装備だと思う。
乗り心地・・・★★★☆☆
クーペに試乗した時と同様、感触としては固めで、
ストローク感が少ないという印象に変わりはない。
(参考)
【試乗記】 BMW 420i クーペ M Sport
ただ、これもグランクーペのほうが車両重量が
重いせいか、動きとしてはクーペよりも穏やかさが
感じられたので、同じ3つ★評価ではあるものの、
クーペよりは少し乗り心地が良い印象だ。
ちなみに横方向の揺れの少なさはクーペと同様、
グランクーペでも健在だ。
このあたりは「Mスポーツサスペンション」が
威力を発揮しているのかもしれない。
まぁノーマルグレードの足回りだったら
どうなのかについては、乗ってないので
何とも言えないが。
居住性・・・★★☆☆☆
クーペと同様、運転席には特に不満はなく、
頭上のスペースも含め居住性は問題なし。
しかし!問題は後席だ!
というのも、
グランクーペは後席ドアこそ付いているものの、
実はクーペのルーフを112mm延ばしただけであり、
ほとんどクーペのフォルムと変わりないからだ。
それだけに、後席の居住性はかなり厳しいと
予想されるわけだが、期待と不安を抱きつつ、
後席の広さをチェックしてみた。
運転席を俺様(身長180cm)のドライビング
ポジションに合わせた状態で後席に乗り込むと、
意外にもヒザ周りの余裕は充分だった。
しかーーーし!
頭上のスペースはやはり厳しーーい! (>_<)
背もたれに体を預けて座った状態だと、
頭頂部がルーフの後端に当たる。
つまり、頭上のスペースはゼロ、と言うより、
若干マイナスというレベルだ。。。(-_-;
一方で、俺様がけっこうこだわっている
後席ヘッドレストの位置に関しては、
若干低めではあるものの、特に引っ張り上げずとも
何とか頭を支えてくれる高さにあるので、
まぁ及第点は与えられる。
なので、俺様ぐらいの身長の人であれば、
少しケツを前にズラして座れば、頭頂部が
ルーフにつっかえることなく、何とか座れるかな、
といったところだ。
恐らく、身長170cm前後ぐらいの人であれば、
普通に腰掛けてもギリギリ頭がつっかえない状態で
座れるだろう。
まぁそんなわけで、
車高が車高(1395mm)だけに、案の定、
後席の頭上スペースはヤバかった。
でも、シートの座り心地はいい感じだし、
後席でもヒザ周りには余裕があるので、
1つ★というのは厳しすぎる。
総合的評価としては2つ★は与えていいだろう。
静粛性・・・★★★☆☆
クーペに試乗した時と同様、
やはりロードノイズは少々大きめに感じた。
(参考)
【試乗記】 BMW 420i クーペ M Sport
まぁでも逆に言えば、ロードノイズしか
目立たなかったというか、それだけエンジンが
静かだったと言うこともできる。
エンジン音の質感に関しては、
クーペの試乗記でも書いた通り、
エンジンそのものの感触としては
直6エンジンほどの重厚感は無い。
回転フィールも、直6の「シルキーシックス」と
称されるサラサラと回る感じのなめらかさは、
こいつの直4ターボでは味わえないのも確かだ。
ただ、幸か不幸か、先にも書いた通り、
このクルマの8速ATは、早めにシフトアップして
低い回転数で巡航しようとする傾向がある。
そのため、何となく低い感じのエンジン音が
車内に漂っていたり、時には加速のさせ方が
ビミョーだったりすると「こもり音」が
発生したりするため、それが不思議と
重厚な雰囲気を醸し出したりしている。
なんか邪道な重厚感と言えばそうなのだが、
「こもり音」が発生している状態はともかくとして、
様々な走行シーンにおいてトータルで見たとき、
その静粛性はなかなかのレベルだし、
悪くない雰囲気だったりする。
内装質感・・・★★★☆☆
クーペでは2つ★評価だったが、
今回のグランクーペでは3つ★評価とした。
もちろん、クーペとグランクーペで、
内装に明確な違いは無いのだが、
何が違うかというと、ドアの開閉音!
これが絶妙に素晴らしい!!
グランクーペのドアのサイズと形状、
取っ手の位置など、さまざまな物理条件が
絶妙に調和した結果だろうか?
とにかく、俺様がこれまでに所有および試乗
してきたクルマの中でも、ダントツに最高の
ドアの開閉音を聞かせてくれる。
ドスッ!と閉まる感じ。
音だけでなく、手に伝わる感触までもが最高だ!
これはぜひ、このクルマをご存知ない方々にも、
一度BMWのショールームに足を運んで頂いて
聞いてもらいたい音だ。
というわけで、「内装質感」の項目で
ドアの開閉音を評価するのは何か変だが、
他に適切な項目も無いし、細かいことを言えば、
内装も込みでドアの重さや固有振動数は決まるため、
ドアの開閉音に内装が影響を与えていることは
確かだし、まぁ良しとしよう。
装備・・・★★★☆☆
クーペと同様。
(参考)
【試乗記】 BMW 420i クーペ M Sport
カーステ音質・・・★★★☆☆
室内空間が多少変わるので、一応音質チェックを
してみたのだが、クーペと同様だった。
(参考)
【試乗記】 BMW 420i クーペ M Sport
総評・・・★★☆☆☆
高い!高すぎる!
4シリーズ グランクーペの値付けが
どれほど割高であるかについては、
ライバルのCクラスとの比較も含めて
下記の記事、
「4シリーズ グランクーペを斬る!」
で述べた通りだ。
ただし、
カタログを見ていただけの時と試乗後では、
試乗後のほうがこのクルマに対する印象は
良くなったことも確かだ。
なぜなら、
その実物のスタイリングの美しさはもちろんのこと、
3シリーズの乗り味にほど良く穏やかさがプラス
された感じとか、それでいてスポーティーな走りを
存分に楽しめる安定感のあるコーナリングとか、
ドアの開閉音の素晴らしさなど、かなり明確な
「個性」を持ったクルマであるからだ。
563万円というボッタクリ価格は論外だとしても、
所有すれば楽しいクルマ、楽しめるクルマである
ことは間違いないだろう。
まぁコスパという概念を込みで考えれば、
とても買えるようなクルマではないし、
人にも薦められないが、こいつの持つ個性が
自分の好みにハマるという人であれば、
これはこれでクーペと同様に
存在意義のある1台だと思う。
というわけで、普通にコスパ込みの評価をすれば
1つ★にするところだが、クーペと同様、
その強烈な個性に敬意を表し、2つ★とする。
★重要なお知らせ!
当ブログは2018.9.30をもちまして、
「新・辛口クルマ批評」に移転しました。
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★目次リンク
→ 試乗記の目次
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30代以上のサラリーマンの方へ。
俺様は動き出しました。あなたもそろそろ。(-_-)
→ クルマが好きだから、そろそろ人生の軌道修正
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