【試乗記】 BMW 740i - 辛口クルマ批評

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【試乗記】 BMW 740i

7series.jpg

試乗車の概要


車名7シリーズ
グレード740i
駆動方式FR
トランスミッション8速AT
型式DBA‐7A30
排気量3.0リッター(ターボ)
最高出力326ps/5500rpm
最大トルク45.9kgf・m/1380-5000rpm
車両重量1880kg
車両本体価格1217万円(税込)
試乗日2015年11月1日

 2015年10月にフルモデルチェンジされた
7シリーズのベースグレード、740iに試乗した。

 本来、7シリーズはその価格帯といい
車体サイズといい、俺様の愛車候補の
対象外のクルマなのだが、
別の用事でディーラーを訪れた際に、
いつもの担当営業マンから、

「新型の7シリーズ、もう試乗車ありますよ!
 乗ってみませんか! (^_^) 」

と言われ、

「前にも言った通り、
 7シリは価格帯が高すぎて買われへんし、
 そもそもデカすぎてウチの駐車スペースに
 入らんから愛車候補の対象外やで。
 絶対に買うことはないけど、いいの?」

と言ったのだが、
それも承知の上で試乗を勧めて頂いている
ということだったので、
お言葉に甘えて試乗させて頂くことにした。

 以下に、率直なインプレッションを述べる。





試乗インプレッション


【注意!】当ブログの試乗記の見方について

動力性能・・・★★★★☆


 まずは発進の感触だが、
アクセルの踏み込みに対して過敏に反応せず、
自然でリニアな反応。
まさに高級車と呼ぶにふさわしい、
なめらかな動き出しが好印象だった。

 発進後から中速域までの加速も実にスムーズ。
ムダな雑音や振動は一切感じられない。
タイヤの転がる感触にもクラス相応の重厚感があり、
良い意味で「クルマの重さ」を感じる乗り味だ。

 そんな重厚感あふれる走りを見せる740iだが、
新型になって車両重量そのものは
かなり軽量化されたようだ。

 その軽量化のおかげもあってか、
とりあえず平地での急加速に関しては
レスポンスも鋭く、楽々と加速していく。


 まぁここまでは、
7シリーズなら当り前、
といったところだろう。


 お次は真価が問われる、
いつもの急坂での加速を試してみた。

 結論を先に言うと、充分に力強い。

 苦しげな振動や音を発することもなく、
グイグイと加速していく。

 ただし!
注意点が1つある。

 このクルマ、
少なくともノーマルモードの状態では、
アクセルをそこそこ深く踏み込んでも、
思ったほどエンジンの回転数は上昇せず、
3000回転あたりまでで全てに対応しよう
とする傾向が感じられる。

 まぁこのへんはクルマの性格による
特性の味付けの部分かと思う。

 あくまでも通常の走行モードでは、
少々荒っぽいアクセルワークでも
「急」のつくような挙動を抑えようという、
そういうセッティングなのだろう。


 ただ、そういった特性のため、
急加速させようという意識で
アクセルを踏み込んでも、
イメージしてたほどエンジンの回転数は
上がらず、急坂で急加速しようとすると
一瞬もの足りなさを感じる可能性はある。

 でも、そこからさらにアクセルを
踏み込んで3500回転以上まで回してやれば、
楽々と加速してくれる、そんな感じだ。

 もっとアクセルの踏み込みに対して
俊敏に高回転まで回して、
瞬時に圧倒的な加速を得たい
ということであれば、
ドライブモードをSPORTに切り換えると
よいだろう。


 というわけで、
「駆けぬける歓び」を味わえるだけの
充分な動力性能を備えている740iだが、
だからと言って、
このクルマで攻めた走りをしよう
などとはあまり考えない方がいい。
(まぁそういうクルマじゃないけど)


 というのも、
ハンドリングがヒジョーに不自然! (>_<)


 それも最初の交差点を曲がった瞬間に、
「なんじゃコレ!?」
と思うぐらいの不自然さだ。

 どう不自然かと言うと、
ほんの少し急ハンドル気味に
ハンドルを切っただけで、
ハンドルの切り始めのところで
驚くほど急にフロントのハナ先が
向きを変える。

 その反応からして、
特性がメチャクチャ過敏でクイックなのか?
と思いきや、直線を走ってる時に
少しハンドルを左右に振ってみた感触では、
そこまでクイックな特性という感じではない。

 つまり、
ハンドルを切った時の反応が、
状況によってかなり大きく変化するため、
違和感がハンパないのだ。

 実際、試乗中にコーナーを
曲がっていると、時として急に
イメージと合わない勢いで
クルマが反応する(曲がる)ことが
何度かあった。

 率直な感想を言うと、
狙ったラインをイメージ通りに
トレースするのが難しいクルマに
なってしまっている。

 こんな挙動では、狭い山道などは
恐くて攻め込めない。
(ってゆーか、再度申し上げるが、
 そもそもそういうクルマじゃないけど)


 まぁいずれにせよ、
このハンドリング特性はダメだ。

 どんな最新の高等な制御を
盛り込んだのか詳しくは知らないが、
早々に要改善な部分と言っていいだろう。


乗り心地・・・★★★★★


 エア・サスペンションが標準装備ということで、
荒れた路面でもショックはほとんど無い。

 だからと言って、
路面の荒れ具合がヒドい所や、
道路の継ぎ目などを通過したことが
わからないほど、ショックが消されて
いるわけではない。

 そういった必要なインフォメーションは、
抑えながらも残してドライバーに伝えつつ、
車体が急速に揺すられることがないように
エアサスがショックをうまく吸収している、
そんな感じ。


 まぁ要するに、一言で言えば
「良い乗り心地」と言っていいかと思う。

 衝撃を殺して、常になめらかな感触で
走行するんだけど、決してフワフワとは
しておらず、車体の動きは落ち着いている。

 ラグジュアリーサルーンとして、
非常に完成度の高い乗り心地だと言える。


 ただ、「楽しいか?」と聞かれたら、
正直、楽しい乗り心地ではないな、
というのも率直な感想だ。

 なんと言うか、
まぁエアサスなんだから当り前、
なのかもしれないが、何となく、
「間に何か柔らかい物が挟まったような・・・」
という感触がある。

 普通の路面を走ってると特にそんな
感触を強く感じるわけではないのだが、
路面の荒れているところを通過中に
ハンドル操作をしたときの感触が
ダイレクト感に欠け、
「意のままに操っている」
という感触が少々薄い感じ。

 でもダイレクト感という部分に関しては、
俺様がいま乗っている420iグランクーペが
非常に優れているため、クルマの性格が
真逆の方向にある740iに乗った時、
その特性のギャップが激しいために
余計にそう感じただけかもしれない。

 恐らく、普通に見れば、
なめらかで安楽な乗り心地と、
ほど良く残されたダイレクト感が
かなり良いバランスで両立されている
仕上がりなのではないかと思う。


居住性・・・-----


 とりあえず運転席に関しては、
シートのボリューム感やゴツイ物に
包まれているといった安堵感など、
居心地はいい感じだった。

 ただ、
購入の対象になるクルマではないため、
後席スペースなどの詳細なチェックは
しなかった。

 よって、この項目は無評価とする。


静粛性・・・★★★★★


 これはさすがに静か!

 まず走り始めて真っ先に感じたのが、
ロードノイズがかなり抑え込まれている
ということ。

 まぁこれも、いま俺様が乗っている
420iグランクーペがロードノイズは
大きめであるために、
そのギャップで余計に静かに感じた
という面は多少あるかもしれない。


 そして、エンジンを回した時の音。
これもかなり遮音されていて、
遠くで回るような感じが印象的だった。

 聞こえてくるエンジン音は
非常になめらかで重厚。

 まさにシルキーシックスの名にふさわしい
洗練された回転フィールと、
そのフィーリングにマッチするエンジン音が
見事に調和しており、非常に心地がいい。

 不要な振動を伴う「こもり音」なども皆無で、
とにかくムダな低質音が徹底的に
排除されているといった感じ。

 まさに、
「走る応接間」、といったところだ。


内装質感・・・★★★★★


 内装は終わってると定評のある(?)BMWだが、
7シリーズに関しては例外的に質感は高い。

 少なくとも現行の5シリーズとは
比較にならないくらいの上質感がある。


 シートも全グレードで本革シートが標準。

 それも、BMWでおなじみの、あのショボい
「ダコタ・レザー」ではなく、
「ナッパ・レザー」のシートとなっており、
その表面の質感はダコタレザーと違って
非常になめらかで、質感は高い。

 まぁそれも、このクラスなら当り前、
といったところだろう。
なんせ車両本体価格が1200万円以上も
するのだから。


 そんなわけで、質感に関しては
特に不満なところはない。

 ただ、メーターパネルを含め、
インパネのデザインに関しては、
特に先進性が感じられるような雰囲気はなく、
そこは価格を考えれば、
もう少し頑張って欲しかったかなぁ
という気はする。


装備・・・★★★★★


 先進装備が真っ先に導入される
フラッグシップモデルだけあって、
要・不要はともかくとして、
さすがに装備は充実している。

 俺様が普段の愛車選びで
重視しているような装備については、
すべて標準で装備されていることは
もはや当り前なので、ここでは語らない。


 新装備で笑っちゃったのが、
「ジェスチャー・コントロール」。

 コントロールディスプレイの前で
手を動かすことによって、
ボタン操作することなく
オーディオの音量が変えられたり、
その他の操作をおこなうことができる
というもの。

 隣に座ってる営業マンに
実演してもらったのだが、
例えば音量調整などは
急激に音が大きくなったりして、
繊細な調節が難しそうだった。

 はっきり言って、
ボタンで操作したほうが早いし
確実だろう。
先進的ではあるが、
まったくムダな装備と言える。


 あと、自動で駐車してくれる装備、
「パーキングアシスト」も笑えた。

 並列駐車で、かなり広めに1台分の
スペースが空いてるところがあったので、
自動で駐車できるかどうか、
実際にやってみた。

 すると、
勝手にハンドルがグルグルと回り始めて、
駐車スペースに向かって自動で後退。

 駐車スペースにある程度入ると、
今度は前進し始めて自動で切り返し。
その間のブレーキ操作なども含め、
全て自動操縦だ。

 で、再び後退し、駐車完了となった。

 しかし、駐車スペースに対して、
あまりにも片方に寄り過ぎていた。

 もちろん、助手席の人が
降りられないほど寄ってるわけでは
ないのだが、運転席側が明らかに不自然に
めちゃくちゃスペースが空いてる状態。

 営業マンの話によると、
「運転席側を広く取るように駐車します」
とのことだったが、
どうやらスペースの広さに対して
バランスよく停めようという、
人間的な感覚は持ち合わせていないようだ。

「人が運転して駐車したら、
 絶対にこんな停め方しないだろう」
というような自己中で豪快すぎる停め方に、
思わず笑ってしまった。(^o^)

 ってゆーかそれ以前に、
あんなに広い駐車スペースに停めるのに、
1回だけとはいえ切り返しをするようでは、
駐車技量のレベルが低すぎる。

 ま、日本の狭い駐車場では、
まず使い物にならない装備と
考えたほうがよいだろう。


カーステ音質・・・★★★☆☆


 さすがの7シリーズだけあって、
標準でハーマンカードンの16スピーカー
サラウンド・サウンド・システムが
装備されている。

 期待を込めて音質チェックしてみたが、
残念なことに、あまりにもフツーだった。(^^;

 悪い音ではないけれど、
高音も低音もインパクトがなく、
16スピーカーもついてる割には
音場の演出にも特に個性がなく、
まったく感動がなかった。

 正直、いま俺様が乗っている
420iグランクーペの標準オーディオと
聴き比べても、大差ないという感じ。


総評・・・★★★☆☆


 いいクルマですね。

 あらゆる状況でゆとりを持って走行できる
充分な動力性能があり、キャビンの静粛性も高い。

 不快なサウンドは排除され、
乗り心地は常に乗員に優しい。

 苦言を呈したハンドリングについても、
急ハンドルを切らずゆったりと走らせる
ラグジュアリーサルーンと考えれば、
むしろ少ないハンドル操作でスマートに
走る上では効率的なハンドリングに
仕上げられているのかもしれない。


 装備も先進技術が満載。

 ありがた迷惑な装備も含め、
これからのクルマが向かうであろう
未来を見せてくれるクルマと言えるだろう。


 そんなわけで、
価格はバカ高いとはいえ、
7シリーズのクラスに求められる性能を考えれば、
これはこれで評価に値するレベルにある。


 ただやはり、欲しいかどうかと言われれば、
欲しくはないクルマだなぁと思う。

 乗せてもらうならアリのクルマだが、
運転したくなるクルマではない感じ。


 ってゆーか、
BMWに7シリーズって必要だろうか?
とさえ思う。

 というのも、このクラスで
無理に「BMWらしさ」を追求すると、
ラグジュアリーサルーンとしては
逆に中途半端になると思うから。

 正直、このクラスに手を出すなら、
メルセデスのSクラスのほうが
「らしい」と思う。

 BMWはもっとドライバー寄りのクルマに
注力してもらったほうが、
個人的にはうれしいと思うのだが。。。




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30代以上のサラリーマンの方へ。
俺様は動き出しました。あなたもそろそろ。(-_-)
 → クルマが好きだから、そろそろ人生の軌道修正
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コメント
非公開コメント

レビューとても参考になりました。

早速試乗されたのですね!羨ましい限りです(^^)
なるほど、静粛性や乗り心地は非常に上質ですか。

私も展示車だけ見て来たのですが、内装の質感の向上に驚きました。
でもよく見ると…相変わらずBMWらしいなぁと思う残念な箇所もあったり(^^;
隣に展示されていた5シリの限定車(MAESTRO)の内装が素晴らしく(シートもメリノレザー!)、むしろこっちが欲しいと思ってしまいました(笑)

ところで、あの自動開閉するキドニーグリルはどう思われますか?
私のところの営業マンは、「また壊れそうな箇所が増えた(泣)」と嘆いておりましたが(^^;
今後あれが標準になっていくんでしょうか。

2015-11-11 11:29 | from ピュアボーイ

Re: レビューとても参考になりました。

辛口系男子(管理人)です。

> 早速試乗されたのですね!羨ましい限りです(^^)
> なるほど、静粛性や乗り心地は非常に上質ですか。

 はい。
確かに「高級車」って感じですわ。


> 私も展示車だけ見て来たのですが、
> 内装の質感の向上に驚きました。
> でもよく見ると…相変わらず
> BMWらしいなぁと思う残念な箇所もあったり(^^;

 ほぅ、残念なところを発見されたのですか。
どこなのか、ちょっと気になるなぁ。
まぁどうせ買わないけど。(^^;


> 隣に展示されていた5シリの限定車(MAESTRO)の
> 内装が素晴らしく(シートもメリノレザー!)、
> むしろこっちが欲しいと思ってしまいました(笑)

 5シリはモデル末期に近づいてきましたし、
ちょっとやそっとのお得感とかじゃあ
なかなか売れない時期に
差しかかってますからね。

 それだけに、特別仕様の限定車は
それなりにリキの入った仕様に
なってますから、魅力的に見えるのも
ある意味では当然かもしれません。(^^)


> ところで、あの自動開閉する
> キドニーグリルはどう思われますか?

 まぁ正直、
別に大した装備ではないと思いますね。
それに、マツダもアクセラ(現行)で
結構前から同じようなことやってますしね。
(アクティブ・エアシャッターで
 検索してみて下さい)


> 私のところの営業マンは、
> 「また壊れそうな箇所が増えた(泣)」
> と嘆いておりましたが(^^;
> 今後あれが標準になっていくんでしょうか。

 たぶん増えていく傾向でしょうね。
単純に要・不要を判定して
シャッターを開けるか閉めるか、
それだけのことですから、
別に難しい制御でもないので
そんなにコストもかからないと
思いますしね。
それで効果があるなら、
「ぜひやりましょう」
ってなもんで。(^^;

 まぁでも、可動部品というのは
そもそもが故障率は高いものですから、
壊れやすい部分がまた増えた
というのは、間違いではないですね。(^o^;

2015-11-12 01:38 | from 辛口系男子(管理人) | Edit

買えもしないのに試乗しに行く時の気持ちってどんな感じ?

2016-07-17 08:52 | from w

Re: タイトルなし

辛口系男子(管理人)です。

> 買えもしないのに試乗しに
> 行く時の気持ちってどんな感じ?

 試乗記の冒頭をよく読んで下さい。

 俺様がわざわざ7シリに
試乗する目的でディーラーに
足を運んだわけではないし、
「絶対に買わないよ」と
言っているのを承知した上で
営業マンさんのほうから
試乗を勧めて頂いたのです。

 以上、ご理解下さい。(^_^)

2016-07-19 01:28 | from 辛口系男子(管理人) | Edit

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